【HQ】鈍感少女 vs モブイン少女

715. 女性恐怖症 ページ5

貴「いえ……また入部希望者かな、と思いまして」


徹と話す女子生徒の方を見てそう言うと、花巻さんもそちらに目を移した。


花「あーあれか。さっきチラッとそばを通った時に、手違いがなんちゃらとか言ってたけど」

貴「手違い？」


手違いって、部活に入部するのに手違いが起きることがあるのだろうか？

間違えて違う部活に名前が入ってたとかそういうことなのかな？

なにしろ、厄介なことに変わりはないけど。

徹が上手く説明してそれで終わりってことになってくれないかな。

そうすれば私は何もなくて済むのに。


及「集合〜！」


そう思った矢先に、徹が集合をかけた。

そのそばにはまだ女子生徒がいる。

この感じだと、私が関わらずに済むことはなさそうだな。

この間、ハジメが好きだという女の子に傷つけられたばかりなのに、もう次の子か。

このまま行くと私、女子なのに女性恐怖症になりそう。

そう考えながらも、徹の方へと足を早める。

そして、冒頭に戻るのであった。

新しいマネージャー希望……正直、また仮入部の段階で何かやらかすんじゃないかと今からヒヤヒヤしている。

目の前に立つ女子生徒は、穏やかな笑みを浮かべているけど、さすがに外見にはもう騙されない。

可愛くても優しそうでも、2人きりになった途端に豹変することはもう分かっている。

これからどんなことが起きるのか、覚悟しながら私は女子生徒をじっと見つめていた。

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