【HQ】鈍感少女 vs ヤンデレ少女 2 (ページ4)

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699. 俺らは同士だページ4

岩泉side

頭が真っ白だった。

気が動転していた。

切った女子生徒に対する怒りよりも、Aに対する思いの方が強かった。

なんで気づかなかったんだ……。

Aはそういうやつだろ？

人が傷つくことが誰よりも嫌いなんだ。

そう思うのと裏腹に、自分だってAが傷ついたら誰よりも心配するし嫌だという気持ちがあることを改めて実感する。

俺らはきっと、同士というやつなんだろう。

長いこと一緒にいたんだ。

同じ考えを持っていたって不思議じゃない。

花「おい、なんか声聞こえたけど何かあったか？」

玄関の方で音がした。

時間的にも、もう部員がそろそろ集まり始める時間だ。

花巻と松川が来たのだろう。

暗闇の中、女子生徒だけがただただ焦っていた。

まあ、大勢の男が入ってきたら、もう逃げることは出来ないのだ。

捕まるのも時間の問題だろう。

しかし、彼女は諦めるつもりはないようで。

俺が抱きしめているAの頭目掛けて、カッターを振り下ろした。

手でAの後頭部を優しく押さえ、俺は飛んでくるカッターを左手で受け止めた。

「な……！」

女子生徒は、ビックリしてカッターを引こうとするが、それは俺が許さなかった。

これ以上、傷つくことが増えないように。