615. 数ヶ月の付き合い ページ33
花「おい、待てよ若葉！」
よろよろと走る背中を、俺と松はひたすら追いかけた。
若葉、意外と足はえー。
普段走れないから、一見運動音痴に見えてしまうが、わりと運動は得意な方なのかもしれない。
そう考えると、改めて喘息というのが酷だと思った。
ようやく、若葉との距離が縮まってきた。
走るのが速いとはいえ、体力があるわけじゃない。
なんなら、そろそろ咳き込んでてもおかしくはない。
手を伸ばすと、もう触れることができる距離だ。
俺は、迷うことなく若葉の腕を掴んで引き寄せた。
それを強く振り払うように、若葉が暴れる。
何かがおかしい。
こんなことをするような子じゃない。
先輩相手に無視して逃げた挙句、腕を掴まれただけでここまで暴れるなんてこと、若葉が意図的にするとは思えない。
松もそれを感じ取ったのか、若葉の両手を取って名前を呼ぶ。
それでも、若葉は答えずにひたすら身体をよじったり手足をバタつかせたりして、なんとか俺たちから逃げようとしていた。
こんなとき、岩泉や及川がいれば、すぐに解決出来るんだろうが……。
生憎、数ヶ月ほどの付き合いしかない俺や松では、若葉を正気に戻すことはできない。
だからといって、俺か松、どちらかが誰かを呼びに行けば、その間に力ずくでも逃げてしまうかもしれない。
そう考えたら、この手を離すことが出来なかった。
何度も呼びかける松の声を聞きながら、俺はふとあることに気づいた。
若葉は、なんで走ってたんだ？
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游 - いつも更新お疲れ様です！どんどん若葉ちゃんの秘密が分かってきてドキドキです！！これからも楽しみにしてます(*^^*) (2020年2月24日 18時) (
レス) id: cce07bcaf8 (このIDを非表示/違反報告)
salome - 初めましてか久し振りのどちらかになりますか今回のロッカーの落書きの件ですが(よその子)何ですがあまり考えたくは無いですか若葉は養子だったのですが？ (2020年2月16日 20時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
四葉 - あっという間に全シリーズ読んでました！これからも頑張ってください！！ (2020年2月15日 12時) (レス) id: 5195643059 (このIDを非表示/違反報告)
ルリルリ(プロフ) - このシリーズ大好きです！これからも頑張ってください！ (2020年1月27日 5時) (レス) id: 2bdd2e1078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれは*
| 作成日時：2020年1月7日 19時
