【HQ】鈍感少女 vs 元気少女

544. 擁護出来ない ページ5

その後の展開は、めちゃくちゃ早かった。

まず、落ち込んでる西谷さんを気にしていた山口君が福永さんにやられた。

その後、Bチームのラリーが続き、残ったAチーム3人が必死にボールを避ける。

その間、既に外野にいるAチームの皆さんは、こぞって暇を持て余していた。

Aチームになかなかボールがいかないため、もはやすることがないみたい。

内野と外野でえらい違いだな……。

その後、芝山君がボールを取り損ねて外野に行ってしまった。

残るは、海さんと猿杙さん。

対して、Bチームは仁花ちゃんが西谷さんを当てて内野に戻ったため、7人になった。

しかも、ボールは今Bチームの手元にある。

圧倒的Aチームがピンチ。

と思ったその時だった。

澤村さんの投げたボールを、海さんがキャッチした。

ようやくAチーム、反撃出来る！

海さんは、コートの左側を狙ってボールを投げた。

しかし、全員が避けて外野の方へとボールは飛んでいく。

ドッと音がして、ボールは徹の背中に……って、なんで背中？


葉「おい、何やってんだよ！」


木葉さんが言うのもそのはず。

徹は、完全に出番がないと思ってよそ見をしていたんだもん。

あっと徹が慌ててボールを追いかけるも、ボールはBチームの外野の方へとコロコロ転がり、クロがボールを取ってしまった。


黒「ざんね〜ん。試合中によそ見とは、随分余裕だね、主将サン」


クロの煽りに、分かりやすく顔を歪める徹。

いや、今のは流石に擁護出来ないかな……。

だって、完全に徹の不注意なんだもの。

珍しいな、徹がよそ見するなんて。

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