【HQ】鈍感少女 vs 元気少女

541. 無慈悲な攻撃 ページ2

Bチームからコロコロと転がってきたボールを取ったのは、矢巾さん。

俺の時代きたー！って台詞がつきそうなほどの、満面の笑みを見せながら矢巾さんはボールを投げた。

そして、それは逃げ足が1歩遅れた仁花ちゃんに、思いっきりと言ってもいいほどの強さで当たった。


谷「ひぎゃあああ！」


ボールが当たったことと言うよりは、ボールが急に来たことに驚いている仁花ちゃん。

うん、確かにすごいスピードだったもんな。

でもこれで、AチームとBチームの当たった人数は同じになった。


菅「Bチームの元外野の人ー、内野にゴーゴーゴー！」


またしてもハイテンションな菅原さんの指示で、Bチームの外野にいた、研磨、清水さん、福永さんが内野に入る。

すると、Aチームで何やら落ち込んでいる人が目に入った。

矢巾さんだった。


矢「俺は……女子に……なんということを……」


どうやら、本人的にはめちゃくちゃ気にしてたらしい。

相当落ち込んでるみたいで、目の前真っ暗って感じだ。

まあまあ、と隣で山口君が慰めているけど、2人とも今試合中……。

と思った次の瞬間、矢巾さんのお腹にボールがクリーンヒットした。

「ぐえっ」という呻き声とともに、矢巾さんはその場で尻もちをついた。

チラッと誰が投げたのかを見てみると、なんと月島君だった。

あれま、烏野の無気力がボールを投げるなんて珍しい……。

すると、矢巾さんは勢いよく立ち上がった。


矢「おい、卑怯だぞ！落ち込んでる隙を狙うなんて！」

月「試合中に落ち込んでたら、狙ってくださいって言ってるようなものじゃないですか」

矢「無慈悲か！」


月島君お得意の煽りに、矢巾さんは突っ込んでたけど、当たったことに変わりはないので、結局外野に出ていった。

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