【HQ】鈍感少女 vs 元気少女

561. しょぼくれモード ページ22

木兎さんが固まっている間に、赤葦さんと雀田さんがハイタッチをする。

同じ木兎さんを倒すという願いが叶って、2人は満足そうだ。

そして、問題はそう、木兎さんのほう。

あれから急に黙っちゃって、ポツンと虚空を眺めている。

あーあ、心ここに在らずだ。

なんだっけ……前に梟谷の人が言ってたヤツ？

しょぼくれモード？だっけ？

それになっちゃったのかな？

外野に出た瞬間、体育館のすみっこで体育館座りをする木兎さん。

テンションの上げ下げ激しいな、この人。

これにはさすがに、赤葦さんと雀田さんも笑えず、困った顔をしてる。


赤「木兎さん、ボールに当たったくらいで、何しょげてるんですか？」

木「だってもう俺、出番ないじゃん……」


いじけたように口をとがらせて言う木兎さん。

まあ、確かに内野にいた方がいい、みたいな考えの人いるけども。

ボール投げるのが外か中かの違いじゃないのかな？

赤葦さんはなんて言うんだろう？

チラッと横目で見ると、赤葦さんははあっと大きなため息をついていた。

いやほんとに、いつもこんなことやってると思うとお疲れ様です、赤葦さんとしか言えない。


赤「木兎さん、それは違いますよ。内野で当たっても、外野で内野の人を当てるという仕事が残ってるじゃないですか。ほら、あそこにいる人を狙って……」


赤葦さんがそう言ってこちらを指さすのと、


澤「はい、試合終了！」


澤村さんの声が同時だった。

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