279. 別れない以外の方法 ページ42
その日の放課後＿＿
日直の轟が職員室への用事を済ませる間、Aは1人で教室にいた。
窓の外を見ると、楽しそうに会話をしながら帰るA組や他クラスの生徒が目に入った。
自分は恵まれている、とAは思う。
学校生活は楽しい。
大切な友達も、守りたい人もできた。
こんな日がいつまでも続けばいいのに。
あんなふうに皆と笑いあって帰る日が、寝て起きて朝が来ることが楽しみな日が、ずっとずっと……。
Aは目を閉じた。
日にちは未定と言っていたが、おそらく来月にはお見合いがあるはずだ。
自分の意思では断れないお見合いで、恋人がいるとは言えない。
相手の人との結婚は、もはや大前提のことなのだから。
その前に、轟と別れなくてはいけない。
幸い、轟はAの家庭事情を知っている。
素直に話せば、納得はしてくれるかもしれない。
でも、それと別れてくれるかは別だ。
轟はきっと、別れたくないと言うだろう。
それはAも同じ気持ちだ。
しかし、別れない以外の方法は、きっとお見合いの日までには見つからないだろう。
そうなれば、別の方法で別れるしかないのだ。
誕生日の時みたいにはならずに、恋人ではなく友達に戻れる方法……。
簡単には思いつかないかもしれない。
しかし、残り1ヶ月のタイムリミットの中、それは絶対に完遂させなければならない。
轟「悪い、待たせた。……A？」
戻ってきた轟は、教室に入った瞬間、哀愁を帯びた雰囲気に違和感を覚えた。
窓の外を眺めるAの、どこか悲しそうな横顔に思わず名前を呼んだ。
すぐにAは、ハッとして轟の存在に気づいた。
貴「焦凍、戻ってきたんだ！」
轟「なんかあったか？大丈夫か？」
貴「ううん、何もないよ。帰ろう！」
悲しい空気を振り払い、Aは鞄を掴むと轟の手を引いて下駄箱へと向かった。
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林檎 - 戻る方法キスとかやったら、嬉し過ぎる、、、相澤先生お願いします>^< (2019年12月18日 13時) (
レス) id: 470b7ea6e1 (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - お見合い相手が実は轟くんでした…とかないかな( ；∀；) (2019年12月13日 20時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
まろ - あー、ヤバいこれ面白すぎて吐血した(笑) (2019年11月23日 11時) (レス) id: 8fe28b550e (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - この作品が本当に好きで毎回楽しみにしてます(＞＜)これからも頑張ってください！ (2019年11月19日 21時) (レス) id: 8f7b4772e3 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 続編や！嬉しい！！そしてかっちゃん出てきて、轟くん出てきてなんて、脳が爆発する>∀< 無理せず頑張ってください！！ (2019年10月30日 22時) (レス) id: 470b7ea6e1 (このIDを非表示/違反報告)
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