184. 僕を1人にする ページ42
貴「もっと早く、その言葉をあなたの口から聞きたかったよ」
そう能切に言ったAは、悲しそうに歪んだ笑顔を見せた。
個性によるトラブルは、身内だけとは限らない。
それが分かった瞬間だった。
能切が自分と同じように苦しんできたことは、前から知っていた。
でも、そのせいで歪んでしまった能切をAは間違った方法で救おうとしてしまったのだ。
自分のしたことが、能切のためにならないということに気づかず。
貴「君の痛みも苦しみも、私はよく知っている。知っているからこそ、甘えさせてしまった。前向きな考えを示していたら、こんなことにはならなかったかもしれないのに……」
Aの力のない言葉に、能切は怒りが引っ込んでしまった。
それはAが好きだからではない。
自分の過ちに気づいたからだった。
貴「能切君……もうこの関係は終わりにしよう。私は、貴方のしたいことのために動くのはやめる。それは、ヒーローじゃないから」
それは、能切にとっては拒絶の言葉だった。
もういらないと、関わらないで欲しいと、そう言ってるように聞こえてしまう。
能切は、ブルブル震える手を固く握った。
能「君も……そうやって僕を1人にするんだね」
震える声でそう言うと、能切は何も言わずに屋上のフェンスの方へと歩き出した。
もう、何もかもどうでも良くなっていたのだ。
フェンスの向こうがオアシスのようにすら見えてしまっていた。
キラキラと青く光るところへと手を伸ばそうとした時だった。
貴「待って！」
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轟推し - とても感動して、目から涙がこぼれました。これからも、がんばってください！ (2020年5月9日 3時) (
レス) id: 465ea38479 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 続きがとても気になる!!!! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 0dcad5eff6 (このIDを非表示/違反報告)
のまーん(プロフ) - きゃーっ！キマシタワー！破壊力パネェ！ (2019年8月19日 19時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
日向夏 - 轟くんカッコいい！いつもドキドキしながら読ませていただいてます。毎日更新ありがとうございます！これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月12日 22時) (レス) id: 687d110e3e (このIDを非表示/違反報告)
漓娜(プロフ) - ああ、、、好き… (2019年8月10日 2時) (レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
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