167. 付き合いの延長線 ページ25
操「なぜそれを……！」
操裁の顔が分かりやすく歪んだ。
取れるはずがないと思っていたものが、轟の手にあるのだから。
轟「お前のクラスが体育の時、椅子にかかってた上着から取った。ここ数日、左のポケットをずっと気にしていたし、体育の時は着替えるから上着を椅子にかけると思って」
轟は、ずっと形勢逆転の機会を伺っていた。
毎日操裁の動きを観察しながら、ボロが出るのを、何か手がかりが見つかるのを待っていたのだ。
轟「この髪さえなければ、もう俺がお前のところにいる理由はねえよな？」
轟がそれを左手で持ち、炎で一瞬にして塵にしてしまった。
悔しそうに顔を歪ませるも、まだ諦めていないのか焦りながら目を泳がせる操裁。
轟「恋人ってのは、自分の気持ちを押し付けるわけじゃねえ。ちゃんとお互い向き合って2人の意見を尊重しながら付き合っていくもんなんだ。
分かってたはずだ。脅しで出来た関係でいても、つまんねえだけだって」
恋とはいったい何か。
轟が今答えられるだけの精一杯を、言葉にした。
お互い好いていないのに、何が恋人だ？
これは、恋人という名の付き合いの延長線だったのだ。
轟「お前も恋したいなら、ちゃんと自分の気持ちと向き合えよ。我儘突き通すだけじゃ、何も楽しくねえぞ」
轟はそう言い、操裁の次の言葉を待った。
操裁はずっと顔を伏せていたが、はあっと大きく息を吐いたかと思うと、クスッと肩を上げて笑ってみせた。
しかし、すぐにその表情が一変する。
操「そんなこと分かってるわよ！でも、それじゃ好きな人と結ばれない！いつも片想いで終わるだけなんて、苦しいだけじゃない！一時だけでも、恋人になってくれればいいのに！」
吐き捨てるように言う操裁は、おそらくこれが本心なのだろう。
片想いが1番楽しいというのは、1部の考えだ。
好きな気持ちを伝えられなかった時、断られた時、もう遅かった時、片想いは苦しいものに豹変する。
それは、轟には分かるようで分からない感情だった。
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轟推し - とても感動して、目から涙がこぼれました。これからも、がんばってください！ (2020年5月9日 3時) (
レス) id: 465ea38479 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 続きがとても気になる!!!! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます。 (2019年8月22日 11時) (レス) id: 0dcad5eff6 (このIDを非表示/違反報告)
のまーん(プロフ) - きゃーっ！キマシタワー！破壊力パネェ！ (2019年8月19日 19時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
日向夏 - 轟くんカッコいい！いつもドキドキしながら読ませていただいてます。毎日更新ありがとうございます！これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月12日 22時) (レス) id: 687d110e3e (このIDを非表示/違反報告)
漓娜(プロフ) - ああ、、、好き… (2019年8月10日 2時) (レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
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