436. 初めてと2回目 ページ36
「い……おい……」
誰かの声が聞こえる。視界が揺れてる。
地震？雷？火事？それとも親父？(違います)
目を開けると、そこにはなぜか影山の顔がドアップで映し出されていた。
目が合った途端、一気に目が覚めて視界がクリアになった。
コンクリートの地面と壁、屋根と壁の間から覗く朝日が視界に広がる。
あれ……もう朝？
状況が分からずに影山を見ると、影山は滅多に見せない心配そうな顔をしていた。
影「何やってんだ、こんなところで？」
影山の問いに、私はハッとした。
そうだ、昨夜私、咳が出るからって一旦外に出たんだった。
今もここにいるってことは、私あのまま寝ちゃったんだ。
どうりで身体が痛いわけだ。
ハードな仕事のおかげでなった筋肉痛とはまた別に、身体の節々が痛い。
って、ちょっと待って、影山がここにいるってことは……。
貴「わ、私、もしかして寝坊した!?」
影「いや、まだ起床時間じゃない。俺は朝のランニング」
影山が首を振って否定し、私はホッと胸をなでおろした。
良かった……寝坊してなくて。
影「つか若葉、なんでこんなとこで寝てんだ？……まさかお前、喘息治ってなかったのか？」
私は、あっと声を上げそうになった。
影山は、中学の時のチームメイトだったとはいえ、部活以外で話すことはあまりなかったため、私が入院した後のことを知らない。
多分、入院したことで、私の喘息が完治したのだと思ったのだろう。
貴「完治はしてないよ。でも、酷くはないから大丈夫」
影「大丈夫って言ったって、こんなとこで寝てたらダメだろ！」
影山に怒られるのは、これで2回目だ。
でも、こんなに心配してくれたのは初めてだ。
言われ慣れてることを言われただけだけど、私をちゃんと認識してくれていることが嬉しかった。
上がりそうになる口角を頑張って隠す。
貴「ごめんね。心配してくれてありがとう。もう教室に戻るよ」
そう言い、痛む身体に鞭打って立ち上がる。
残りあと3日。頑張って乗り越えなきゃ……！
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (
レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ！！！だからこれからも頑張って！！ (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう１年たったんですね！！早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます！ (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました！荒らしにめげないその精神がすごいと思います！これからも頑張ってください！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれは*
| 作成日時：2019年6月14日 19時
