【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女

421. 絶対やりそう ページ21

月島side


若葉さんの1件後、今まで襲ってきていたはずの演劇部員が、逆に心配し始め、挟み撃ちから脱することができた。

発作が治まったばかりの若葉さんを花巻さんがおぶり、GチームとHチームでゴールを目指している。


赤「それにしても、よく吸入器なんて持ってましたね。青城の人は全員持ってるんですか？」


赤葦さんが尋ねてるけど、それは流石に用意周到すぎでしょ。


花「いや？いつもは岩泉と国見が持ってんだけどよ、肝試しって場合によっちゃ走るだろ？加えてGチームには、若葉の他に青城がいない。だから、後ろのチームの俺が持ってろって岩泉に渡されたんだよ」


はあ、あの及川さんといつも一緒にいる人か。

聞くと、及川さんと岩泉さんと若葉さんは幼馴染なんだそう。

あんなめんどくさい幼馴染(主に及川さん)とか、若葉さんよく耐えられるな。

僕だったら、無視決め込む。

その時、ようやくゴールが見えてきた。


木「お！おかえり！」


木兎さんのデカい声で、皆も僕たちが戻ってきたことに気づく。

よし、これで部屋に帰れる。

もうこんなうるさい人たちと一緒にいるのはゴメンだ。疲れる。

内心ホッとして、部屋に戻ることだけを考えていた時だった。


花「はァ!?迷ったかもってなんだよ!?」


花巻さんの素っ頓狂な声が聞こえてきた。

どうやら、木兎さんを除くAチームと田中さんがまだ戻ってきていないらしい。

なんで木兎さんだけ戻ってきてるんだろう？

あの人、もしかして他の人おいて先に逃げたんじゃ……。

やりそう、あの人なら絶対やりそう。

てか、探すの全員でやるとか言わないよね？

木兎さんが1人で行けば済む話だよね？

また赤葦さん辺りが苦労しそうだけど。

結局、木兎さんと赤葦さん、澤村さん、菅原さん、及川さん、松川さんで探すことになり、僕らは部屋に帰された。

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