「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ6)

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100. 相当惚れてるページ6

ゴキブリ大作戦から数日が過ぎた。

結局、ゴキブリのことは轟とAが一緒に寝たことも含めて、先生には報告しないことになった。

そんなことをしたら、下手すると約5人ほど除籍処分を受けそうな気がしたからだ。

轟とAは、Aが「考えさせて」と言った後も、一先ずは一緒に登下校をしていた。

今日も、寮から校舎までの僅かな距離を、2人で並んで歩いていた。

轟「最近、漫画読んでるか？」

貴「ちょっとずつだけどね。課題の方を先にやってると、なかなか時間取れなくて……」

Aは少し悔しそうに言った。

轟には恋愛事では負けないようにしよう、と決めていたのに、課題が邪魔をする。

学生の性分は勉強だから、しょうがないことではあるのだが。

轟「……なら、今度一緒に勉強するか？」

貴「いいの!?」

轟の提案に、Aは目をキラキラさせた。

轟からしたら、好きな人に勉強を教えられるなどラッキーなことしかないのだが。

轟「ああ。それで……勉強終わったら、漫画見てた時に試したいと思ったこと、してみてもいいか？」

貴「うん、もちろん！」

少し俯いていたAの表情が、一気に明るくなる。

それを見るだけで、轟も自然と表情がほぐれた。

Aを好きになっていくうちに、自然とAの笑顔を見たいと思うようになっていた。

どうやら、相当惚れ込んでいるらしい。

そう自覚して、轟の頬が少し赤く染まった時だった。

後ろからダダダダダと走ってきた1人の生徒が、轟の肩にぶつかって行った。

勢いよくぶつかってきたため、轟は前につんのめりそうになる。

しかし、持ち前の体幹で転ぶことは阻止出来た。

貴「大丈夫、轟君？」

轟「あ、ああ」

貴「まったくもう、危ない人……」

生徒が去っていた方向を睨むA。

ぶつかっただけだから大丈夫だ、と轟が言おうとした時だった。

轟の身体が、突然光りだした。

貴「と、轟君!?」