「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ5)

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99. 作戦成功！ページ5

高々と手を挙げたのは、八百万だった。

八「私は昨晩、水無月さんを部屋まで運びました。水無月さんは、昨日は床は歩けませんでした。だから、轟さんの部屋までは、1人で行けないはずですわ」

上「てことは、轟！お前まさか、寝込みを……！」

轟「してねえ」

上鳴が言い終わる前に轟は遮って否定した。

それにAも便乗して頷いた。

貴「実はね……夜寝る時、やっぱり怖くなっちゃって……轟君に電話したの。それで、何やかんやで一緒に寝ることになって……」

切「なんだその何やかんやって!?」

1番知りたいところが、1番あやふやである。

切島のツッコミに、何人かはうんうんと頷いた。

轟「水無月が、自分の部屋がまだ怖いっつったから、俺の部屋で寝るかってなったんだ。もう夜遅かったし、他の奴ら起こす訳にもいかねえだろ」

尾「そういうことか……」

別にやましい事があったわけでもなく、理由を聞いた皆はホッと胸をなで下ろした。

上「まあでも、根本的な原因は俺たちだよな……ホントに悪い、水無月」

貴「大丈夫だよ！昨日だけだったみたいで、今はなんともないから！」

少し沈みがちになってしまった上鳴を、Aが宥めた。

本当にAはもう、何ともないのだ。

上鳴たちのことを嫌ってるわけでもなく、あのことを怒っているわけでもない。

ただ、いつも通りに話して欲しかっただけだった。

芦「でもさ！これ、上鳴が最初に予想したやつと一緒じゃない？」

はしゃいだ声を上げる芦戸に、皆が注目した。

上「予想って……ゴキブリ大作戦のことか？」

芦「そうそう。だって、轟は水無月を助けたし、水無月は電話で轟に助けを求めてたんでしょ？」

芦戸の言葉に、皆は確かに、と頷いた。

葉「じゃあこれは、成功だね！」

事態が収拾に向かい、芦戸の一言で明るさが戻った。

これでゴキブリ大作戦は、思わぬ展開の連続で幕を下ろした。