「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ40)

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134. 見てはいけないものページ40

DVDを見始めて数分経った。

しかし、2人ともDVDにある違和感を覚えていた。

貴「ねえ、これ……女子いなくない？」

轟「なんか、男子校の話らしいぞ」

DVDのパッケージを見ながら轟が説明するが、Aは納得がいかなかった。

もうDVDが始まって15分は経っている。

そろそろ女子が出てきてもおかしくない頃なのに、一向に女子が出てこない。

轟も、出演者一覧のところや、あらすじを読んでどんな話かを見ていたが、やはり女子がいない。

まさか、これは……！

轟が、DVDのジャンルに気づいたのと、パソコンの画面で登場人物がキスをしたのが同時だった。

貴「え……」

Aの顔から笑顔が消え、小さく声が漏れた。

慌てて轟はAの目を片手で塞ぐと、急いでDVDを止めた。

しかし、タイミングが悪く、Aにはもうガッツリ見えていたのだ。

貴「と、轟君……？」

轟「な、なんだ……？」

どんな反応が返ってくるのか、轟はAの顔を覗き込んだ。

すると、Aの顔は赤い絵の具を塗ったかのように真っ赤に染まっていた。

貴「え……男が……ええ……キ、キスって……えあああ……何がどうなって……」

轟「落ち着け、水無月」

おそらく、Aはこういうジャンルがあることを知らなかったのだろう。

真っ赤な顔で、ひたすら口をパクパクさせている。

轟に背中をさすってもらいながら、Aは大きく深呼吸をした。

1回しただけでも大分落ち着き、Aは大きく息を吐いた。

貴「ミ、ミッドナイト先生って、こんな趣味あったの？」

轟「とも限らなそうだけどな。身内にってことも考えられる」

貴「あ、そっか……」

そう納得しても、やはり納得し切れていない感覚が残る。

何より、この世にそういうものがあること自体、Aは知らなかったのだから。