「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ24)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:273,806 hit

118. 轟の姉兄ページ24

数十分後、轟の家の玄関に相澤と轟を抱っこしたAが到着した。

インターホンを鳴らし、家の人が出てくるまでの間、ソワソワしているAに相澤が「落ち着け」とたしなめる。

「はーい！」

ガラッと引き戸を開けたのは、白い髪に赤いメッシュの入った女の人だった。

前に文房具屋に行った時に聞いた容姿で、Aはすぐに轟の姉だと分かった。

相「ご無沙汰しております。焦凍さんの担任の相澤と、A組生徒の水無月です」

相澤が紹介すると、轟の姉はAと目を合わせ、その腕にいる小さくなった轟に目を移した。

「え……っと、その子はまさか……」

相「あ、そのことなんですが、お話が……」

「ま、まさか焦凍がお父さんに!?」

論点がズレ、相澤とAは「ん？」と小さく声を漏らした。

どうやら轟の姉は、小さくなった轟を、轟の子どもと勘違いしているようだった。

「てことは、貴方がお母さん？焦凍と子ども作ったの!?いつの間に付き合ってたの!?」

どんどん大きくなっていく声と話に、Aもなんて言っていいのか分からず、黙っていた。

そもそもこの反応は、轟が子どもを作って怒っているのか喜んでいるのか、それすらも分からないのだ。

「夏ー！！」

突然、轟の姉は玄関から部屋の中に向かって、誰かの名前を呼んだ。

すると、今度は白い髪の男の人が慌てて姿を表した。

こっちは、おそらく轟の兄だろう。

「なんだよ、姉ちゃん……って、来客か？」

相澤とAが会釈すると、轟の姉が兄の腕を掴んでユサユサ揺らした。

「夏、どーしよう！焦凍が……焦凍が子どもを……！」

「は？子ども!?」

「今日はお赤飯炊かなきゃ！あ、どうぞ、上がってください！」

勘違いを解こうにも、轟の姉は半分パニック状態だ。

どう説明しようかと相澤が頭を捻らせた時だった。

貴「あ、あの……！」