「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ22)

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116. 気まずい方法ページ22

相「水無月、見つけたぞ！」

そう相澤が駆け込んできたのは、次の日、ちょうど休日だった。

共同スペースにいたAは、顔をパァーっと明るくさせ、相澤に駆け寄った。

貴「本当ですか!?」

相「ああ……ここに書いてある」

相澤が差し出した紙を、Aは受け取って目を通した。

そこには、ボールペンで走り書きされた元に戻る方法があった。

相「本人の親戚を当たってみた。なかなか繋がらなくて、大分時間がかかっちまったがな」

しかし、Aにとってはそんなことはどうでも良かった。

これでやっと、轟が戻れる。

ところが、全て読み終えると、Aは無表情になっていた。

そして、チラッと相澤を見る。

相澤はそれに気づくと、気まずそうに目を逸らした。

麗「なになに？何が書いてあったん？」

共同スペースで、緑谷、飯田と轟の相手をしていた麗日が、突然黙ったAに気づいて声をかけてきた。

Aが紙を麗日に渡すと、紙の内容が気になるのか、緑谷たちや、食堂の方にいた八百万たちも集まってきた。

緑「え……」

麗「わお……」

八「あら……」

芦「おお～！」

飯「これは……」

紙の内容に目を通した途端、皆それぞれ戸惑いや驚きの反応を見せた。

貴「先生……小さくなった人の愛してる人にキスをしてもらうって……どういうことですか!?」

声を荒らげたAに、皆はあれ？と思った。

Aは既に、前に轟にキスをしているため、嫌がる理由もないと思っていたからだ。

麗「Aちゃん？それは……」

貴「私に出来ること、何もないじゃないですか！」

そう言ったAに、皆は一気に脱力しそうになった。

忘れていたのだ。

Aが愛について知らないこと。

轟がAのことが好きなことを知らないことを。