54. いろいろある ページ7
そして迎えた放課後。
貴「轟君、帰ろ！」
皆が心配の目を向ける中、Aはいつも通り轟に話しかけた。
まだ少し渋っているような轟の手を引っ張り、無理矢理外へ出る。
少し歩くと、すぐにハイツアライアンスがいくつも立ち並ぶところまで着いた。
しかし、AはA組の寮を通り過ぎて歩いていく。
轟「おい、俺たちの寮は通り過ぎたぞ」
Aが建物を間違えたのかと思った轟が声をかけるが、Aは「いいの」と言って進み続ける。
ハイツアライアンスが並ぶ敷地の真ん中には、円状の噴水が建てられている。
Aはそこまで来ると轟から手を放し、噴水の水が溜まる場所の壁となっている石畳の上に腰掛けた。
貴「ちょっと話そう？」
物腰柔らかそうに言ったAの隣に轟も腰を下ろした。
貴「まず、私ね、1つ謝んないといけないことがあるの」
そう言ったAは、真っ直ぐ轟を見据えた。
貴「昨日の夜ね、実は、轟君が寝る時に話してたこと……家族の話、聞いてたの。ごめんね、狸寝入りしてて」
予想だにしなかったAのカミングアウトに、轟は体を強ばらせた。
聞かれていないだろうと安心して話した聞かれたくない話が、聞かれていたとは……。
轟は、ここから逃げてしまいたかった。
出来ることなら、この話はなかったことにしてしまいたい。
家族の話、特に父であるエンデヴァーの話をAがしたら、轟は黙って聞いていられる気がしなかった。
そんな轟の緊張など梅雨知らず、Aは話を続けた。
貴「意識はあまりハッキリしていなかったんだけどね。轟君の話は、何故かハッキリ聞こえたの。轟君の家族のこと、知りたいと思ってたからかな」
クスッと無邪気に笑うAは、単にそのことを謝るだけのようにも見えた。
それだけなら、轟はいくらでも許す。
というより、別に自分の過去を聞いても何も思われていないなら、気にかかることもないからだ。
しかし＿＿
貴「轟君の家も、やっぱりいろいろあるんだね」
彼女は、悲しそうな笑みを浮かべてそう言った。
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漓娜(プロフ) - キュンキュン通り越してぎゅんぎゅんする（） (2019年6月5日 20時) (
レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
超能力者えのん＠紙#余韻(プロフ) - 僕は…気付いてしまった…91話の最初の方…｢表示｣が｢表情｣になっていたことに……いろはさんごめんなさい！気になっちゃい派になってしまいました… (2019年5月19日 0時) (携帯から) (レス) id: 1390b0b4be (このIDを非表示/違反報告)
IROHA*(プロフ) - ルルナさん» こちらこそ、すみませんでした。私が誤解したことに囚われず、ルルナさんの想像通りに書いてくださいな。同じような作品同士、私も応援させていただきます。お互いがんばりましょう！ (2019年5月10日 21時) (レス) id: 3fd8a40bef (このIDを非表示/違反報告)
ルルナ(プロフ) - IROHA*さん» ありがとうございます。こちらこそ誤解されるようなことをしていまい申し訳ありません。以後このような事がないように努めていきたいと思います。 (2019年5月10日 21時) (レス) id: e226e38a19 (このIDを非表示/違反報告)
IROHA*(プロフ) - ルルナさん» そうだったのですね、理由が聞けて安心しました！こちらこそ、誤解してしまってすみません。パクリでなければ全然問題ありませんので、更新してください！話してくださってありがとうございました＿|＼○＿ (2019年5月10日 20時) (レス) id: 3fd8a40bef (このIDを非表示/違反報告)
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