未来のお話 17 ページ3
「やんのはいいけどさー、影山絶対70歳になってもジャンプサーブ打ちそうじゃん。それ取ろうとしてアキレス腱切るとこまで想像出来んだけど」
影山と別れて会場の出口へと歩いていく中、国見がそう呟いた。
その瞬間、Aはそれを想像したのか盛大に吹き出した。
その隣で金田一も声を上げて笑う。
きっと、影山は死ぬまでバレーを続けるだろう。
そして自分たちも、バレーと切り離した生活は出来ないと確信してしまった。
70歳でジャンプサーブを打つ影山の前に、ボールを取ろうとする自分たちが想像出来てしまったのだから。
大人になって、仕事をしていて、宮城から離れた生活をしている人もいて、環境は大きく変わっていった。
しかし、集まればみんな揃ってバレーの話を始める。
今も昔も、そこだけは何も変わらなかった。
変わらない彼らがそこに立っていた。
それにAは酷く安心を覚えた。
音楽活動は、基本1人の世界。
マネージャーや事務所の人たちなど、自分の活動を支えてくれる人はいる。
でも、何をどうするのか決めるのは、いつも自分1人だった。
あの頃は、何をするにもいつも隣に誰かいたというのに。
それが寂しいと思う反面、自分のしてきたことは間違いではないのだと改めて実感できた。
みんな、自分の曲を聴いている。
Aのやりたいことにとって、絶好の環境になっていると分かっただけでも、今日ここに来た意味はあったのだ。
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あ(プロフ) - 今日全て読み終わりました!読み始めたら止まらなくてここまで没頭して読んだのは初めてです!本当にこの作品が過去1好きです!ドストライクです!!よかったらpixivでのアカウント教えていただきたいです! (2月29日 21時) (レス) @page19 id: e85c9fbf78 (このIDを非表示/違反報告)
にろちゃん - 完結おめでとうございます!すごく読んでて面白かったです! (6月28日 21時) (レス) @page19 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白かったです! (2023年4月16日 18時) (レス) @page19 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
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