未来のお話�� 12 ページ18
「この方です」
スタッフの先にいたのは、Aと岩泉が想像していた通りの人物だった。
「やっほー。久しぶりだね」
高校の時はやかましいと思っていたキメ顔も、今では懐かしく感じる。
顔が綻ぶのと同時に、Aは泣きそうになってしまった。
会っただけで、高校時代の思い出が色鮮やかに蘇る。
「徹……久しぶり！」
駆け寄るAとは反対に、岩泉は黙って拳を及川に突き出した。
それに気づいた及川は、岩泉と拳を合わせて微笑む。
反対の手では、2つ年下の幼馴染の頭を撫でていた。
「2人とも、今日まで俺を待っててくれてありがとう」
「別に待ってねえよ。来たら潰そうと思ってただけだ」
「酷いな！」
キメ顔が一気に崩れて、見慣れた幼馴染の表情が映る。
Aは思わず笑ってしまった。
7年という月日が流れたにも関わらず、2人のやり取りは何も変わらないのだから。
「いやーでも、岩ちゃんはともかくAちゃんまでオリンピックの対戦の場に出てくるとは思わなかったよ」
感心する及川の言葉に、Aはすぐに及川も自分の曲を聴いていたのだと気づいた。
「それは違うよ、徹」
頭を撫でていた及川の手を取ったAは、真っ直ぐに及川を見据えた。
「私の歌に、敵とか味方とか関係ない。私は、自分の歌を聴いてくれた人全員を応援する。だから……私は徹のことも応援するよ」
そう言ったAの頬を、涙が一筋滑り落ちた。
ずっと、誰かを応援したいと思っていた。
自分の横をすれ違う人でも、遠くに住んでる見たこともない人でもいい。
誰かに寄り添って、前を向ける手伝いが出来たらそれで良かったのだ。
まさかアルゼンチンにまで届いているとは思わなかったのだが。
でも、それがAの願いだった。
その願いが届いた今、Aは世界で1番の幸せを噛み締めている気分だった。
「どうかあなたの応援歌になりますように……」
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あ(プロフ) - 今日全て読み終わりました！読み始めたら止まらなくてここまで没頭して読んだのは初めてです！本当にこの作品が過去1好きです！ドストライクです！！よかったらpixivでのアカウント教えていただきたいです！ (2月29日 21時) (
レス) @page19 id: e85c9fbf78 (このIDを非表示/違反報告)
にろちゃん - 完結おめでとうございます!すごく読んでて面白かったです！ (6月28日 21時) (レス) @page19 id: 6a8e0333e2 (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白かったです！ (2023年4月16日 18時) (レス) @page19 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
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