【HQ】鈍感少女番外編7 (ページ49)

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未来のお話 15 ページ49

「そろそろ行くか」

Aがマネージャーに連絡を終えた頃を見計らって、国見が声をかける。

試合が終わったコートでは、有名な選手たちのサインを貰おうと、小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまで賑わっていた。

もちろん、その中には影山の姿もある。

サインを書く影山の横を3人で通ろうとした次の瞬間、なぜか影山が顔を上げた。

おかげで、影山の方を見ていたAと目が合ってしまった。

「あ……金田一！国見！」

一瞬、Aを見て声をかけようとしたが、お忍びで来ていることに気づいたらしい。

影山は、Aの名前を呼ばなかった。

「また、一緒にバレーをやろう」

その言葉に、3人全員が驚いた。

もう二度とこのメンバーでバレーをすることはないと、全員が思っていたはずだった。

過去のことなんてとっくに昇華し、前へと進む影山に、金田一たちは自分たちが追いつくのは無理だろうとどこかで諦めていたのだ。

それがまさか、向こうから誘ってくるとは……。

「……影山、来年から海外だよな？日本代表になれってか？」

「お前はワンチャン……てか、ファンめっちゃこっち見てる……」

「もしやるってなったら、どこでやるんだろう？アドラーズの練習場とか行けるかな？」

「それは絶対無理」

Aが言った時だけ、金田一と国見は揃って否定する。

Aのバレーバカは相変わらずらしい。

バレーのコートや、内部事情にはどうしても食いつこうとしてしまう。

それをいつもこの2人が止めているのである。