後輩ちゃん 9 ページ3
「んー、別に変えなくていいんじゃないか?」
次の日の朝練。
早めに準備をしていると、矢巾さんが登校してきて挨拶をする。
そのついでに、私の普段の仕事のやり方について聞いてみれば、そう返ってきた。
何を今更、とでも言いたげな矢巾さんの表情は、別に困っているわけではなさそうだ。
うーん、やっぱり大丈夫なのかな。
具体的にドリンクの味とかスクイズの配置とか聞いてみたけど、むしろ変えないで欲しいとまで言われてしまった。
「今のでもう1年以上も過ごしてるだろ。それでみんな慣れてるし、今更変えられた方が、逆に迷惑だ」
そこまで言われてしまえば、もう変えることは出来ない。
それに、困っていないなら無理に変える必要もない。
新しく入ってきた2人には悪いけど、このまま覚えて慣れてもらうしかないね。
でも、聞いてみて良かった。
みんな、私の考えた案で良いって言ってくれて嬉しかった。
優木さんが退部してから、徹やハジメには私の好きなようにやっていいって言われてたけど、やっぱり不安はつきものだ。
ほとんど1人で仕事してたから、周りに指摘してくれる人もいなかったし。
だから、世羅さんに指摘されたとき、自信を持ってこのままで良いとは思えなかった。
もし、みんなも同じことを考えていたらどうしようって思ってたんだけど、大丈夫だったみたい。
それなら、このまま続けても良いかな。
私はホッとしつつ朝練の仕事に戻った。
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