【HQ】それは席替えから始まった【岩泉一】

April.6 ページ7

それから、岩泉とはかなりの頻度で話すようになった。

流石に岩泉もお昼はバレー部の人と食べるし、私もいつメンと食べるから話さないけど、休み時間はよく話してる。


貴「よっ！」

岩「！……なんだよ、花咲かよ」


私が肩をトンと後ろから叩くと、それだけでビクッと反応した。


貴「岩泉って、意外とビビり？」

岩「あ"？」


うわー、怖い怖い！

睨み方はクラス一怖いけど、中身はすごい優しいことは知っている。

だから、睨まれても怒られても、それはノリだって分かるから逆に楽しくなってしまう。


萌「やめなよ、Aちゃん。
いじるの好きだねw」

貴「だって、楽しいんだもん！」

岩「人をいじるの楽しいとかSかよ……。及川と一緒だな」


半分呆れ顔の岩泉。

Sは昔、部活の先輩にも言われたから、あまり驚かない。

ただ、次の文が訳分からん。


貴「及川って誰？」

岩「はっ!?」

萌「えっ！」

岩「お前、及川知らねぇのかよ！」


え、誰だし。俳優？芸人？有名人？


貴「俳優とか？私そっち方面分かんないんだけど」

萌「ううん、ここの生徒」


生徒!?


貴「そんなん、分かるわけないじゃん。ここの学校、生徒めっちゃ多いし」


聞いた話じゃ、今年の1年生は今までで1番多いらしい。


岩「及川を知らない女子がいるとは……」

貴「え、知ってるのが常識なの？」

萌「常識っていうか、大抵の人は知ってるね」


え、なんで？

そんな有名な生徒いたっけ？

私が聞いたのは、演劇部の子が男子役やったおかげで、女子にめっちゃモテてるって話。

ちなみに、その子と友達だから、聞いた時はびっくりしたね。


岩「なんなら、どういうやつか見てみるか？」

貴「え、会えるの？」

岩「おう」


岩泉は、携帯を取り出すとRINEを開いて操作し始める。


岩「今日の昼、アイツらのところ行く前にここで待ってろ。多分、来る」


おー！

てか、岩泉と友達なんだ……。

岩泉も顔広いしな。

取り敢えず、今日の昼休みちょっと楽しみ。

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