【HQ】それは席替えから始まった【岩泉一】

July.4 ページ35

貴「その休んでる子は……その、やる気がないとかなの？それとも、バレーが嫌いなの？」

岩「いや、そんなヤツじゃないな。ただ、かなり不器用なヤツなんだ。バレー好きじゃなきゃあそこまで上手くはなんねぇだろうし、やる気がなけりゃ、とっくに部活辞めてるだろ」

貴「そっか……」


部活に参加していないのは本当はいけないことだけど、だからって皆が皆やる気がなかったり、嫌いになったりってわけじゃないのかな。

じゃあ、なんで結花はあの時＿＿


岩「なんだよ、お前。こんなこと聞くとか珍しいな。部活辞めそうなヤツでもいんのかよ？」


私は黙ったまま、ゆっくり首を振った。


貴「じゃあさ、もし試合でさ、自分のチームに本気でやっていないヤツがいたら、岩泉はどうする？」


そう聞くと、岩泉は少し考える素振りをしてから口を開いた。


岩「まずは、理由を聞くかもな。バレー好きなのに本気でやってないのは、大抵理由があるし、もしかしたら勘違いかもしれねぇしな」


あ、そっか……。

そういえば私、結花に理由を聞かなかった。

いつもより話していなかった。

でも＿＿


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貴『結花、そんな気にすることないって。次頑張ればいいじゃん』

結『私……卓球嫌いなんだよね』


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2年の時の球技大会の話。

私は卓球を選んだ。2人も卓球を選んだ。

実を言うと、智夏も卓球は1年くらいやっていたから、智夏が卓球を選ぶだろうなとは思っていた。

そして、そうなればいつメンの繋がり的に、結花も卓球を選ぶだろうとも。

でも……嫌いなら、来ないで欲しいとも思った。

卓球嫌いな人とやっても、楽しくないから。

そういえば、その時も私は結花と話さなかったな。

いや、話すことをやめたんだ。

卓球嫌いな人に、なんて言っていいか分からなかったから。

岩泉は、好きなら理由があるって言ったけど、嫌いって言われたらどうすればいいんだろう……。

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