【HQ】それは席替えから始まった【岩泉一】

May.6 ページ17

後輩と写真を撮っている内に、昼休みは終わっていた。

次は、全員でのフリーダンスだ。

好きな異性を選んで2人1組で踊るという、この学校の体育祭の名物なのである。

今年は誰と踊るんだろな……。


岩「あ、花咲。一緒に踊らね？」


そう声をかけてきたのは、岩泉。

最近仲が良かったとはいえ、岩泉は1軍女子に誘われると思っていたから、ちょっとびっくりだった。

え？なんでって？岩泉って、意外と人気なんよ？


及「あ！花咲ちゃん、良かったら踊らない？」


は!?なんで、及川が……？


岩「及川、なんでお前……」

及「いや、初対面からいろいろ言われたから、そのお返しに、と思って」


それ、絶対仕返しじゃん。

体育祭で恥じかきたくないんだけど。


花「なんだなんだ？あ、花咲、花コンビで踊らね？」

松「おい、なんだ花コンビってw
花咲、良かったら踊ろうぜ」


おい、なんだコイツら……。

顔整ってるから、てっきり皆彼女か好きな人いるかと思ったのに、いねぇのかよ。

青春しろよ←


岩「おい、俺が最初に誘ったんだ」

及「岩ちゃんに俺が負けるわけないじゃん」

岩「なんだと、及川テメェ！」

花「いや、そこは花コンビだろ」

松「花松コンビでも良くね？」

花「それは俺らだろ←」


4人で言い合ってる……。

ねえ、周りからの視線が痛いんだけど。


「何あれ？」

「え、取り合い？」

「あんな地味っぽい子を？」

「及川さんまでいるし」


おい、今誰だ、地味っぽいとか言ったの！

シバくぞ、コラ！！

うわー、これ目立つじゃん。

この中から選ぶのもめんどくさいし。


ふと、辺りを見回すと、文芸部部長の中村君の姿があった。


貴「中村君！」

中「あ、花咲さん！」

貴「良かったら、踊らない？」

中「いいよ！」


よっしゃ、決定！！


「あ、あの2人！」

「知ってる！文芸部の部長と副部長でしょ」

「付き合ってるって噂、ほんとだったのかな？」


また別の噂たってるし……。

そう言えば、この間後輩が、あんな感じの噂があるとか言ってたな。

どちらにしろめんどくさかったか……。

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