岩ちゃんの夏休み 8 ページ40
家に帰って来ると、ハジメが空港に着いたという連絡があった。
え、空港から家までそんなに時間かからないじゃん。
いくら揚げ出し豆腐が短い時間で出来るとはいえ、のんびりしている暇はなさそう。
ハジメのお母さんも、私が揚げ出し豆腐を作る横で、ご飯の準備を始めた。
まずは、豆腐を切るところから……。
最初は、包丁の使い方も怪しかったんだよね。
だって、料理とかしたことなかったし。
相手は豆腐だし、柔らかい食材だから、力を入れなくとも切れてしまう。
逆に自分の指を切りそうで怖いな。
ハジメのお母さんは、手の上で豆腐切ってた。
慣れてくるとあんなことも出来るようになるのか……。
そのあとは、豆腐に片栗粉をまぶして油で揚げる。
油も、最初は怖かった。
豆腐の水気を切るのを忘れちゃって、油の中に入れた時にめちゃくちゃ油が跳ねたのは、軽くトラウマになっちゃったもん。
ハジメのお母さん曰く、水と油ってすごく仲が悪いんだって。
だから、よく豆腐の水気を拭き取らないといけないんだって教えてもらった。
強い衝撃を与えれば与えるほど油は跳ねるから、そっと静かに豆腐を入れる。
急いで手を離すと、跳ねるから逆に危ないんだって。
これも、ハジメのお母さんに教えてもらった。
だから、私は何度も練習した通りに、豆腐をそっと油の中に入れた。
ジュワッと良い音を立てて、豆腐に火が通り始めた。
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