【HQ】何かが違う○○しないと出られない部屋

2. 及川徹 2 ページ4

及「ねえ、荒巻ちゃん」

貴「何よ……って……ん……」


突然、唇に触れる柔らかいもの。


貴「……は？」


え、これって……キ……ス……？

私は、慌てて及川を引き剥がした。

待て待て、キスって……ええ!?

顔に熱が集まる。

べ、別に及川のことが好きとかそんなわけじゃないけど、一応あいつイケメンだし？

悔しいけど校内1のモテ男だし？

女子からの人気めっちゃ高いし？

私のファーストキスだったしって……。


貴「何してんの!?」

及「制限時間」


平然とした顔で及川が指さす先には、カウントダウンの掲示板があり、そこが残り10秒のところで止まっていた。

そうだった……制限時間あるんだった。

すっかり頭から抜けてたよ。

及川がキスしなかったら、危うく制限時間過ぎるところだった。

って、ちょっと待てよ……。


貴「ボケてないじゃん！これただのキスじゃん！
面白いもクソもないよ!?ただ高校生がキスするところを見せただけだよ!?
私が見物者だったらぶっ殺してるわ！」

及「何それ物騒！」


及川の胸ぐらを掴んで捲し立てる私に、突っ込む及川。

すると、ガチャと音がして、あの重そうなドアがひとりでに開いた。


貴「開いた……？」

及「え、なんで？」


2人で顔を見合わせていると、キスしないと出られないと書いてあった掲示板に、テロップが表示された。


『キスするまでの経緯が良かったので合格』


いや、何これ……？


貴「見物者、ツボあっさ……」

及「どこに面白い要素あったのさ……？」


ため息混じりに呟くと、私たちはドアへ向かって歩き出した。


→合格
不合格

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