38. まるで子ども返り ページ39
リ「ダメだね、帰りな」
カーテンで仕切られたベッドの手前に、リカバリーガールが仁王立ちしていた。
緑「どうしてですか？」
飯「そんなに悪いんですか？」
見舞いが出来ないことに、皆の表情には不安が滲む。
リ「一応意識はあるけどね、熱が高すぎるさね。まともに会話が出来る状態じゃないよ」
麗「そんな……」
思ったよりも悪いAの容態に、皆表情に影を落とした。
その時、轟がリカバリーガールの前に1歩進み出た。
轟「それでも、顔を見るくらい出来ませんか？」
緑「轟君……」
仮とはいえ、彼氏として出来ることを探そうとしているのだと緑谷は悟った。
リカバリーガールは、はあっと大きなため息を吐くと、クルッと背を向けた。
リ「1番奥のベッドにいるよ。アンタの個性で冷やしてやりな」
それだけ言って、机の方に戻ってしまった。
リカバリーガールの言葉通りに、1番奥のベッドへと向かう。
静かにカーテンを開けると、そこにはベッドに横たわるAがいた。
Aは、カーテンの音に気づいたのか、窓側に移していた視線を、緑谷たちに向けた。
しかし、その目は焦点が若干定まっておらず、半目の状態。
真っ赤に染まった顔と荒い息遣いで、かなりの重症だと分かる。
轟が手をAに近づけると、Aの頬がピクリと反応し、白いベッドにだらんと下がっていた手を、轟の手へと伸ばす。
手と手が触れた途端、轟はAの手の熱さに驚いた。
さっき倒れた時の比ではない。
氷を出したらすぐに溶けてしまいそうなほどだ。
しかし、そんな轟の驚きなど梅雨知らず、Aは轟の手を自分の頬へと持ってきた。
貴「て……きもちい……」
熱のせいでずっと暑かったのだろう。
その頬は汗で僅かに湿っていた。
しかし、轟はそんなことお構い無しに、右手に冷気を纏わせ、Aの頬を冷やした。
余程気持ちいいのか、Aの顔は始終緩みっぱなしである。
麗「なんか小さい子みたいやね、Aちゃん」
緑「うん、妹みたい」
飯「まるで子ども返りだな」
2人の様子を見た麗日、緑谷、飯田も頬を少し緩ませた。
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陽月光 - めちゃくちゃ面白いですね…！文才分けてください…。正直、「誰だ低評価おした奴はぁぁぁ！」って叫んでしまいました（笑）。更新待ってます！ (2019年3月27日 18時) (
レス) id: 24cf5c852f (このIDを非表示/違反報告)
四面楚歌(プロフ) - 天然×2は、尊いですね・・・・！更新頑張って下さい！ (2019年3月27日 8時) (レス) id: 0dcecdf2b2 (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - とても面白いです！図々しいですが是非更新お願いします！ (2019年3月27日 1時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
焦凍の花嫁の葵 - なんか面白い (2019年3月19日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
菅原LOVE - おこがましいのですが、轟君とくっつくのでしょうか？ (2019年3月3日 15時) (レス) id: 4cb630b68b (このIDを非表示/違反報告)
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