20. 忘れ物を渡そう大作戦 ページ21
時は流れ、寮へと戻った1A生徒。
ご飯までまだ時間があるため、皆思い思いに暇な時間を持て余している。
Aは喉が乾いたので、自販機に寄ろうと共同スペースの脇を通った時だった。
葉「あ、Aちゃん。ちょうど良かった！」
共同スペースに芦戸といた葉隠に腕を掴まれた。
貴「どうかしたの？」
葉「うん、実はね、轟君のタオルが共同スペースに置いてあったから、せっかくだからAに渡してもらおうと思って」
葉隠の手には、清潔そうなタオルが綺麗に畳んで置いてあった。
洗濯ラベルのところには、油性ペンで「轟」と書いてある。
貴「私でいいなら、いいよ」
葉「Aちゃん、ありがとう〜！」
葉隠からのお願いを、Aは快く承諾した。
葉「期限はいつでもいいよ。明日でもいいし」
貴「いや、ずっと持っているのもあれだし、今から行ってくるよ」
葉「うん……行ってくる？」
ん？と何かがおかしいことに気づき始めた葉隠。
共同スペースのソファでそれを聞いていた芦戸は、既に顔が引きつっている。
貴「うん、じゃ、またね〜」
手を振って男子棟の方へと行くAを、2人は言葉も出ずに見送ってしまった。
数分前、たまたま2人は轟のタオルが共同スペースのテーブルに置いてあることに気づいた。
芦「珍しいね、轟が忘れ物なんて」
葉「こんなこともあるんだね〜。ねえ、三奈ちゃん」
そう言い、轟のタオルを持つ葉隠は、芦戸の方を向いた。
葉「これさ、Aちゃんに渡させようよ！」
芦「あ、それいい！なんかもの渡すって告白みたいじゃない？」
葉「一応仮カップルだしね！なんか手渡すの、カレカノっぽい！」
という過程から急遽、轟に忘れ物を渡そう大作戦のシナリオが完成したのだった。
2人はてっきり、Aが共同スペースに集まるときか明日の学校で渡すと思っていたのだ。
しかし、実際は部屋まで届けるという何ともまあ大胆な行動。
1歩間違えれば先生沙汰にもなりかねない行為である。
でも、ただ届けるだけだよね？変なことなんてないよね？
と、2人は思うことにしたのだった。
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陽月光 - めちゃくちゃ面白いですね…！文才分けてください…。正直、「誰だ低評価おした奴はぁぁぁ！」って叫んでしまいました（笑）。更新待ってます！ (2019年3月27日 18時) (
レス) id: 24cf5c852f (このIDを非表示/違反報告)
四面楚歌(プロフ) - 天然×2は、尊いですね・・・・！更新頑張って下さい！ (2019年3月27日 8時) (レス) id: 0dcecdf2b2 (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - とても面白いです！図々しいですが是非更新お願いします！ (2019年3月27日 1時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
焦凍の花嫁の葵 - なんか面白い (2019年3月19日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
菅原LOVE - おこがましいのですが、轟君とくっつくのでしょうか？ (2019年3月3日 15時) (レス) id: 4cb630b68b (このIDを非表示/違反報告)
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