わたしたちの休み時間2

食べたいもんは仕方ない ページ34

『ねぇねぇほっくん。たこ焼き食べたいね。』

北「俺はべつにいらないけど。」

『たこ焼き食べたいよ。』




昼休み、そんなことをねだる私に
北斗は たこ焼きなんてさすがに購買にねぇよなんて困ってる。




『でも私今世界で北斗の次くらいにたこ焼き好きだよ。今は。』

北「なんだそれ。よっぽど好きなんだな。」




照れ笑いでそんなことを返す北斗に、
よしよし、ちゃんと彼に大好きは伝わっているんだなって
改めて嬉しくて すこしくすぐったくなった。




『うん！だからね、たこ焼き。食べたい。』

北「…はぁ。
近くのコンビニにあることを祈るしかないな。」




ほら行くよ、と財布を片手に立ち上がった北斗に続いて教室を出た。






…が、




『ない！！たこ焼きない！！』

北「やかましい店内で騒ぐな。」




残念ながらたこ焼きはなかった。

別の商品の並ぶ棚の前で騒ぐ私に北斗のげんこつが降ってくる。



あ、もちろん優しくて全然痛くないけどね。




『どうしても食べたかったたこ焼き…。』

北「たこ焼きたこ焼き言い過ぎじゃない？
もう語尾がたこ焼きになっちゃってるじゃん。」

『そんなことないたこ焼き。』

北「こら、狙うな。」

『えへ。』




お好み焼きあるからそれで我慢しろ、と北斗は言うけど、
やっぱりたこ焼きが食べたくて。

だってお好み焼きにはたこいないじゃん。

まぁ別にたこが食べたいわけじゃないんだけど…。




『放課後まで我慢するからショッピングモールに連れてって。』




あそこのフードコートにならあるよね。

だからデートしよ、デート。



お気に入りの菓子パンを右手に、北斗の腕を左手に。



『ね？』

北「引っ付くな。暑いから。」

『えー、コンビニ涼しいじゃん。』




でも本当に暑そうだね。お耳真っ赤っか。




『北斗とデートができるならここにたこ焼きなくてよかった〜。』

北「現金だな。」




別に、いつでもすりゃいいじゃん…って
また他所向いてぼそっと言うもんだから、

ねぇねぇ確かにそう言ったんだよね？
私の都合のいい聞き間違いじゃないよね？



いつも通り、ちゃんと聞こえないの。



だけど、いつもちゃんと聞こえないその言葉の中に
北斗は頑張って好きを詰め込んでくれてるの、
ちゃんと知ってるもんね。




『じゃあまいにち！まいにち北斗とデートする！』

北「俺明日委員会あるからむり。」

『えっ』

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