わたしたちの休み時間2

大人になったらそんなん気にしない ページ22

『うー、どっちかなぁ…』

北「休み時間終わるぞ。」

『まってごめんあと10秒！』




授業の合間の休み時間。

自販機の前で果物の紅茶にするか安定のりんごジュースにするかで延々迷ってると北斗に脇腹をつつかれた。


そうだよね、15分しかない貴重な休み時間…。

しかし未だ決めかねる私に不満そうな北斗の視線は
私の頭の上を通りすぎて反対隣へ。






北「あとなんでいつもお前も一緒なの。」




今日も樹くんは私たちと一緒。

何かと私たちは三人で行動を共にしていて。



あれから持ち前の明るさと人懐っこさで、
最初は距離を取っていたクラスメイト全員ともあっという間に友達になってしまった彼は、

何故か今日も私を挟んで北斗と言い合いをしている。



この構図、最近ものすごい頻度で見るなぁ。

今みたいな15分休みやお昼休み、授業中まで…。









よっぽどほくたんが好きなんだね！！



わかるよ、わかるよ！


めちゃくちゃかわいいもんね！

私も大好きだよ！私たちは仲間だ！




樹「俺別に北斗について来てんじゃないから。」

北「だから言ってるんだけど？」

『え、違うの？ほくちが可愛いからじゃないの？』

北「勘が鈍いにも程がある。」

樹「Aちゃん、まじでやめて。」

『うん？』




まぁいいや。

そんなことより早く決めないと本当に休み時間なくなる！



よーし、こうなったら両方のボタンを押して出てきた方に…

なんて財布をゴソゴソしていると、


横から私より手早くお金を入れて樹くんがりんごジュースを買った。




樹「俺も飲みたいからAちゃん半分こしようよ。」

『いいの？ありがとう！』




二人とも両方飲めるねって笑う樹くんの好意に甘えて
迷ったもう一方の紅茶を買った。



よし戻ろうと振り返ったあと、
後ろでまたガコンっと自販機が働く音。

北斗が樹くんと同じりんごジュースを買ってた。




『あれ？北斗がりんごジュース珍しいね。』

北「…いや、お前の。」

『へ？』

北「飲みきれなかった分飲んでやるから両方持っとけ。」

『え？あ、じゃあお金…！』

北「いらない。どうせあとで飲むだろうし。」

『お？ちょ、ほく？！』




戸惑ってる私にジュースを握らせて、
北斗は樹くんの腕を引っ張ってどんどん進んでしまう。



え、まって置いてかないでよ！









樹「何すんだよ、間接ちゅー狙ってたのに。」

北「あいつにそれしていいの俺だけだって。」

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