じゅうに ページ13
あれからすぐAを解放したはいいが部屋にはなんとも言えない空気が漂っていた。
少し気まずかったオレはAをベッドに残しバルコニーに出る
Aはこちらに背を向けているので寝ているかどうかは分からなかったが今声をかける気にもならなかった。
(＿＿ ちっ、なんなんだよ…)
さっきの自分の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る、
女に可愛いという感情が芽生えたこともそれを口にしたのも初めてだった。
＿＿なんだか最近の自分はおかしい、
サッカー部が出来てこいつともお日さま園の奴らとも自然と関わりが増えたのが原因だろう。
Aに振り回されてばかりの自分が嫌で条件を出してこいつをここに居候させているのに
気付けば振り回されているのは自分で。
それにこの家でAを彼女だなんて認めてしまえば瞳子姉さんや親父に知られたとき面倒になるのはわかりきっていた。
＿＿なら何故 否定しなかったのか。
(あ〜〜っ、くっそ 意味わかんねー…)
自分で自分の行動に苛立つ。
だが悪いのはAもだ。
オレが言ったことをバカ正直に信用し受け止めてここにいる。
昔からの仲だと言っても 一応年頃の女だ。
男の部屋にノコノコ着いていくのもどうかと思うし(条件に出した自分が言うなという話だが…)それにしても無防備すぎる(オレじゃなかったらもう襲われてるぞ)
でもオレもそこまでバカじゃない。
頭では理解してるつもりだ、
こいつがそうまでして守りたいものがなにか。
(＿くそ、そんなにサッカー部が、あいつらが大事かよ)
自分を一番に見て欲しい、自分の事だけを考えて欲しい。本音はそうだった。
この気持ちがなんだかよく分からない。
(でもそう言えるほどの素直さをオレは持ち合わせていない)
＿＿ ちょうどひんやりとした夜風が火照った体を撫でて心地よかった
いくらか落ち着きを取り戻しAの様子を見に行けば案の定Aは寝息を立てていた。
「…だから無防備すぎだろ」
サラリ、と頬についている髪を掬ってみるとそれはさらさらと手からすり落ちていく。
自分のシャンプーの匂いがして＿ 少しの優越感。
『ん、ひ、ろと』
名前を呼ばれ顔を上げれば目を閉じながらも優しく微笑んでいるA
それがなんだかとてつもなく愛おしく感じた
(＿＿＿ もしかしてこれが、恋ってやつなのか、)
自分の気持ちにやっと気付いた、夜だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マルコス - ヒロトイケメンすぎる////////さらに惚れたわ////////作者さんに感謝m(__)m更新頑張ってください!!!! (2018年12月15日 12時) (
レス) id: 6de33aab01 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - めっちゃおもしろい！ヒロトかっこよすぎ！！更新頑張って下さいー！！！ (2018年12月1日 23時) (レス) id: f31aecc51b (このIDを非表示/違反報告)
玲花(プロフ) - はづき☆さん» コメントありがとうございます…！励みになります！更新頑張ります*:･:*:･ (2018年11月12日 20時) (レス) id: ff28bf8991 (このIDを非表示/違反報告)
玲花(プロフ) - りっかさん» 何回も読んでくださってるのですか(；；)ありがとうございます！嬉しいです(；_；)頑張ります！！ (2018年11月12日 20時) (レス) id: ff28bf8991 (このIDを非表示/違反報告)
玲花(プロフ) - 五瀬希林さん» 楽しんで頂けたなら何よりです！(*´ω`*) (2018年11月12日 20時) (レス) id: ff28bf8991 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玲花 | 作成日時：2018年10月29日 2時
