Shine destiny 5

最後くらい ページ17

｢オンニ…ちょっと話があるんですけど……｣




CW｢うん…屋上行く？｣






新しい宿舎になってから初めて屋上に来た。




前の宿舎では2人で星空を見たりしてた。






CW｢星…見えないね。｣






今日は雲が厚くて月さえも見えない。




自分の心情と空がよく合っている。




今から私は心から愛する人を傷つける。






｢IZ*ONEの活動が終わりに近づいていて
自分の将来をよく考えるようになってて……｣






過去の自分がどんな経験をして
今の自分が何を考えて
未来の自分に何を求めているのか。




ずっと悩み続けていたことを隠さずすべて話す。




オンニは1度も口を挟まず
黙って私の話を頷きながら聞いてくれる。






｢新しい環境になったら今度は1人で夢に向かって
挑戦したいと思ってます……でも私不器用だから
同時に色んなことが出来ないんです。｣






きっとそれはチェウォンオンニが1番よく知ってる。






｢今私が優先させたいのは自分自身のことなんです。｣






そのために…私は………






｢だから……｣




CW｢Aごめんね。｣






私が最後の言葉を告げようとした時
初めてオンニが口を開いた。






CW｢一緒にピクニック行けない……
水族館も映画も一緒に行ってあげられない。｣






そういえば前に今年は
色んなところに行こうって話したことがあった。




もうオンニとは2人でデートすることができない。






CW｢もう抱きしめたり……キスしてあげられない。｣






今までの当たり前が全て消えていく。






CW｢Aが辛い時手を握ってあげられない。｣






……オンニ…まさか。






CW｢私たち……｣




｢ちょっと待ってください！……それは私から……｣






オンニはきっと私に別れを告げさせない気だ。




辛い言葉を言わせないつもりだ。






CW｢A。｣






オンニは私の手を握って穏やかに笑った。






CW｢最後くらいかっこつけさせて。｣






いつだって私を守り続けてくれた。




優しく微笑みかけてくれた。




この手の温もりは私だけのものだった………






CW｢私たち……別れよう。｣






言葉は重いのにそれを少しでも
和らげようとするオンニの優しい笑顔。




私から持ち出した話なのに
結局チェウォンオンニに言わせて……
その上返事の言葉が出てこない。




喉に言葉が詰まって声にならない。

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