Monochrome 2

不思議な力 ページ10

CW｢本当は…もっと触れて欲しいんです……
でもやっぱりまだ怖くて……っ！…っん……｣




UB｢…焦ることないわ。｣






前はキスをされるだけでも怖かった。




でも今…体が熱くなっているのは怖いからじゃない。






CW｢ウンビさん……｣




UB｢いつか過去の呪縛から解放される日が来る。
……その時に続きをしよう。｣






ウンビさんはそう言ってワイシャツのボタンを
留めながら私の頬に軽くキスをした。




優しい笑顔が見られるようになったのも
白組織との事件があった後から。




ウンビさんを……黒組織を裏切ったのに
誰も私を責めなかった。




あの日からウンビさんの表情も
柔らかくなった気がする。




忙しい仕事に追われながらも
楽しい毎日を過ごせている。









ウンビさんの元から帰り
自分のデスクに座って作業に戻る。






｢何かいい事ありましたか？｣






資料を持ってきたAさんが私の耳元で囁いた。






CW｢えっ？｣




｢嬉しそうな顔してるなぁ…って笑｣




CW｢……あったのかもしれません笑｣




｢良いですね笑｣






Aさんと出会ってから
黒組織のメンバー全員が良い方向に変化したと思う。




最初は誰にも心を開かず
冷たい瞳をしてるイメージが強かった。




それは過去のトラウマの影響だって
ウンビさんは言っていた。




でもおそらく話を聞く限りAさん自身も
何がトラウマになっているのかをわかっていない。




それでも私がAさんに助けを求めた日から
瞳の色が変わったというか……
何かが変わったようなそんな印象を受けた。




私の思い込みなのかな。




とにかくAさんは不思議な力を持っている人だ。

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