Monochrome 2

頼みたいこと ページ15

YRside






白組織の方針を決める会議をしてから数日が経った。






CY「このデータを渡してきてもらってもいい？」






チェヨンさんに頼まれてさくらさんの元へ向かった。






YR「次回の治験についてのデータです。」




SK「ありがとう。」






さくらさんは書類を読んでいた。






YR「それって……」




SK｢チェウォンさんからだよ。」






そう言って見せてくれたのは真っ黒な封筒。




Aが家で仕事をしている時に
何度か見たことがあった黒組織のものだ。







YR「物件のお話ですか？」




SK「早めに紹介してくれるみたいだよ。」






場所が確保出来れば新薬の完成がぐっと近づく。






SK「後日チェウォンさんと物件を見てくるよ。」




YR「私もついていきましょうか？」




SK「いや…今は研究に専念して欲しい。
1番大切な時期だからね。」






さくらさんはそう言いながら私を手招きした。






SK「ユリに頼みたいことがある。」






さくらさんは人差し指で
自分の耳をトントンと2回叩きながらそう言った。




耳を貸してってことかな？




私はさくらさんの口元に耳を近づけた。






SK「……………この約束をユリにお願いするね。」






どうしてさくらさんが
そんなことを頼むのか私はよくわからなかった。









Aside






「本当にこんな山奥にあるんですか？」




YN「国家のお偉いさんが心休める場所なら
このくらい隠れてないとね。」






車の窓から見える景色はすべて真っ白。






CW「この先は車では行けないですね。」




HW「歩くしかないね。」




YN｢雪が多い場所に別荘を建てるなんて珍しい。｣






車を降りる前から外の寒さが伝わってくる。




道は長く続きそうだし
かなりの距離を歩く必要がありそう。






「これは道って言うんですか？」




YN「何とか歩けてるんだから道だよ。」




HW「足跡？みたいなのが残ってるね。」




CW「確かに……でも雪が降り続けてるから
何人分かわからないですね。」




「人間じゃなくて動物のものかもしれないですよ。」






私たちはそんな会話をしながら
雪の中を歩いて行った。






「うわぁ……大きい。」




YN「これはすごい。」






突如私たちの目の前に現れた別荘は
想像以上の大豪邸だった。

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