マスカラ ページ8
終業時間が終わると
部長もちょっとラフ
ワイシャツの袖は捲って
ネクタイも緩めてダラン
流石にちょっと疲れた顔
出来上がった書類をもって
恐る恐る部長のデスクに近づくと
キーボードを叩く手を止めずに
チラッと上を見た
「あの、すみません。
直したところチェックしてもらえますか」
「ん」
タンって
エンターキーを押して
ポキッポキッって、首を鳴らす
肩..凝るよね
「ん」
「え？」
「書類」
「っあ、はいっ」
近づいてみたら結構な勢いで疲れた顔してて
直しの書類を見てもらうためにここにいるのに
一瞬フワッと
頭から飛んでいた
直した書類をパラパラ捲る
目が止まると
またなにか違ってんじゃないかと思って
ハラハラする
「ん
いいよ。
おつかれ」
ほっ
「すみませんでした」
「慣れてます」
嫌味
「部長帰らないんですか？」
「帰りたいに決まってんだろ」
や.ま.づ.み！！！
そうでした
「なにかお手伝い....」
「お前ね、俺の就業時間増やす気？」
「え..」
「はい？」
「...はぃ」
余計なことしてくれるなってことか
ハイハイわかりましたよ
「では。お先に失礼します」
「おつかれ」
あ、そうだ
まだまに合うかな
マスカラ切らしてたんだった
お気に入りのマスカラは
その辺の薬局では売ってなくて
一度使ってしまったら
他のは使えなくなってしまって
大型のデパートに向かった
10時ごろまでやってたよね
会社の近くにあってよかった！
一度デパートに入ってしまうと女子は長い。
目的のマスカラを手に入れて
プラプラ
買うものなくても
あれみてこれみて
かわいい〜とかするの好き
あっという間に二時間くらいすぎてて
外に出たら
まさかの雨っ！！！
うそでしょー
あり得ない
雨予報じゃなかったじゃん！
しかも、さっきまで星出てたのにぃ
まだパラパラだから駅まで持つかな
こんなことはよくあっていくつでも傘が増える
昨日家の片付けをしていて
傘が大量な事に気づいて
もう絶対買わないって誓ったところなのに
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月4日 23時
