二人でする事 ページ27
ソファをぐるっと回って
そっと隣に行く
心臓が早い
なにか声かけてくださいよ..
「部長..」
「なにしてんの、さっさ...」
そう言いながら
やっと私を視界に入れた
「......」
「......」
ユラって一瞬部長の瞳が揺らいだ
コツンってガラスのテーブルにビールを置くと
スッと立ち上がって
私をジッと見つめた
そっと頰に触れる手
ユラユラって自分の目も揺れたのがわかる
あれ..
なんか..この雰囲気
嫌じゃない
全然嫌じゃない
視線が合わさるのが恥ずかしくて
こんな格好だし..
「..部長..」
「..桜」
ムニーーーーーっ
「っ！！い、いたいっ！！！！」
「なんて格好で出てくんだよ
誘ってるつもり？これ(笑)」
「...へ？」
誘うも何も..
そうでしょ？
「スルんですよね？私達」
「この格好で？何を？」
「だから、そのえっと..」
「俺がお前を抱くってこと？(笑」
「っ！！！！！っ部長！」
カーーーーって顔が赤くなる
「お前ねぇ、んなことしてる暇あったら
仕事！覚えろよ！！！」
「へ...?
シません？」
「なんで俺がお前とスんのよ」
「だってそう言ってたじゃないですか」
「はぁ？いつ」
「お前と俺が二人でする事..」
「あぁ、言ったね」
「ですよね？
指を撫でて...」
「あぁ、そうね確かに？」
そう言って雑に私の手をとって指を..
いや..爪をグリグリ
「あれなんかさっきと..」
「あぁそうか
同じ服着たくないわけね」
「や、えっとはいまぁそれはそうなんですけど..」
「なら言えよ」
「はぁ..」
あれあれおかしい展開！
なんだこれ
スタスタ行った部屋から戻ってきて
これまた雑にガバッとティシャツを被せられる
「ワンピースになるだろ」
「あ..うん。はぃ」
「さっさとそこ座る
あぁ、あとこれな」
渡されたのは爪切り
「何ですか..これ」
「んな、長い爪してるから仕事遅いんだろが」
一ヶ月に一度ネイルに通う
ジェルだから分厚くなった爪を切るのは少し抵抗があって、切らずにいるんだけど
次のネイルにいく前2週間位から
爪がカツカツキーボードに当る
もしかして、さっきの爪の長さチェック？！
じゃ、じゃぁ、
俺とお前が二人で...
また違う意味でパニックになってると
カタンってテーブルに置かれた部長のパソコン
「お前の効率の悪さとミスの原因見付ける
そこの資料打ち込んどけよ」
「...」
「返事」
「は、はいっ」
二人でする事って....
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月4日 23時
