密恋 1 (ページ24)

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私の知らない世界　ページ24

もう、そこからは
恐ろしいほどに心臓が踊る

別に、部長の事が好きなわけでもなんでもない

だけど、かっこいい人なんだっていうのは
冷静になってみれば
簡単にわかってしまった

こんな小娘からしたら
部長はすごく大人

エレベーターが長い

どこまでのぼるんだろう

「高いですね」

「あー、まぁそうね」

シーーン

会話が続かない

フゥーーー
深呼吸という名のため息

「なに(笑)」

「や、お腹一杯で苦しくて..」

「あそ
もう降りるから」

「あ、はい！」

超高層マンションだよねこれ..

エレベーターのドアが開くと
ホテルみたいなキレイなフロアー

「すごい..キレイ」

「...」

部屋が3つ位しかない

ボタンをカチカチって押すとピピって鳴って
木目の大きなドアがあく
家のドアの二倍！
しかも鍵、ガチャリじゃないっ

ガッとドアを開けて

どうぞ
みたいな目線が送られてくる

「あ、お邪魔します」

「どーぞ」

「すご..い」

「さっきからそれ何度も聞いたな」

スリッパを
ん。って出してくれる

「ありがとうございます」

廊下広い
玄関もだだっ広い

ショールームみたいでキョロキョロしちゃう

なにこれ
どうしたらこんなとこに住めるの？？！

廊下を抜けるとリビングダイニング

机に置いてあったリモコンを
ピってすると
自動のロールカーテンがゆっくりと降りる

「部長っ」

「ん？」

「夜景とか見えるんですか？」

「あぁ、見えるけど？
別に、見ないね」

「えっ
勿体ない」

そう言ったら

「はい。
着替えてくるわ」

って私に閉じかけのロールカーテンのリモコンを渡してネクタイを緩めながらスタスタどっかへ行ってしまう

独り暮らしには
広すぎる..

リモコンを握りしめて窓に近づくと
散りばめられた宝石みたいな灯り

それにしてもここ高いっ
何階なの？

私が生きてきた世界には
ない場所だな..