ナンパ ページ18
店長さんがほいってだしてくれた灰皿を
わたしの反対側に寄せる
ふぅーって吐く白い煙がふわふわってのぼっていく
「彼女？」
目の前で鉄板とヘラがカシャンカシャンって鳴る音に紛れた声
「え？」
「ふ。そう見えんの？」
「部長..」
「お似合いじゃん」
「っや！！あの！上司！！...っです
私は、そのでき損ないの部下で..」
「ハハ
そうなんだ
じゃ、俺なんかど？
彼女募集ちゅー」
「おまえ客にナンパしてんじゃないよ」
「んじゃ改めて紹介してよ
何ちゃん？」
「あ..桜です」
「こいつは、お前のタイプじゃねぇよ」
「どんな人がタイプです？」
「あー俺？
そだな、キャリアウーマン的な？
で、オフになるとにゃんにゃんしちゃうタイプとか弱いわー」
左手にタバコを挟んで頬杖をつきながら
ふぅーってタバコの煙を吐いて
細めた目でジーってこっちを見る
ですよねはい。
言いたいことなんとなくわかります
「私じゃ全くお役にたてなそうですね(笑)」
「えーまじで？(笑)
めっちゃ顔はどストライクなのに」
「ハハ
ありがとうございます(笑)
ぶ、部長は？どんな人がタイプなんですか？」
どさくさに紛れて調子乗っちゃってみた
ふたりじゃ聞けないし
ここで、打ち解けておいた方が
なんとなくいいような気がして
「なに、俺のタイプ聞いてどうすんの？」
「や、その..
どんな人かな..って」
「こいつの彼女は
キレイな子ばっかよ」
「へぇ！」
「余計なこと言ってないでさっさと作ってもらえます？」
「ハイハイ
やってるつーのー」
ジュウジュウ良いにおい
ふーん
部長の彼女はキレイな子ばっかりか
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月4日 23時
