秘密 ページ14
なに..この展開は
「その..あのでも..部長
そんな急に..
何て言うか、心の準備が..」
「そんなの要らないだろ」
するするって下がってきた手が
わたしの指までくると
一本一本関節を確かめるように
爪の先までゆっくりとなぞる
やだ、どうしちゃったんだろ？！
部長がえろいんだけどっ
誰？！この人っ
どうしたらいいのドキドキがおさまらない
「部長...」
実はわたしの事好きだったとか？！！
だから...
苛められてた..の？
「桜..」
なんで？
あんなに恐ろしく怖い部長が
スッゴいかっこよく見えちゃってる
ちょっとだけ雨にぬれた髪
が色っぽい
「行こっか」
「はぃ」
もう..
なんかいいかも
とか思ってしまう
訳のわからない展開だけど、
転がっちゃえって思った
だってほら
部長って、怖いけど
仕事めちゃくちゃできるし？
かっこいいし
センスもいい。
あれ？
なんか欠点あったっけ？
雨に濡れないように１つのかさに二人で入る
相合い傘っていつぶり？！
そんな中学生がキャキャっていいそうなこんなことにも、今夜は妙に敏感になってしまって
そっと離れると
ギュッて腰を引き寄せる
「ぬれるだろ」
ポワーッて赤くなってしまいそう
暗くてよかった
助手席のドアを開けてくれる
わたしが入るまで濡れないように傘を..
部長って..
こんな素敵な人だった？
ほぼ怖さが割合占めていて
気づいてなかった
「あの..部長？」
「ん？」
「ホントに私たち..」
「誰にも言うなよ」
「秘密...」
「そ、俺とお前だけの秘密」
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月4日 23時
