彼氏は外国人 ページ12
部屋の鍵を開けると
あ、マークの靴
おねぇちゃんの彼氏マーク
来てんだね
今日はお風呂かっ！
ザーーーって
聞こえるシャワーの音とともに聞こえてくる
営みの声
仲がよろしいことで...
あーぁん
どうしよ。
雨だしな
お風呂入れよってさっき言われたとこだけどな。
うぅ、さむっ。
もうちょっと時間潰して来るか
さっき入ってきたばっかりの部屋を
全く同じ格好で出てきた。
あ、スーツくらいおいてこればよかった
漫喫でも行ってこよっかな
傘だけなんとか持って出た
はぁ。
いい加減一人暮らししないとな
流石にお邪魔虫だし
トボトボ、エントランスを出たところのベンチに腰を下ろす
漫喫かぁ
寒いしめんどくさいなぁ。はぁ
きゅって胸に抱き締めてる部長のスーツが
そういえばすっごくいいにおいで
クンクンしてみた
おしゃれな匂い
カツカツって雨の音に混じった足跡
わ、誰か帰って来たんだ
気まずいな
あわてて、鞄からスマホを取り出そうと手探りで探したけど、なくて
あれ？ガバッとカバンを開けてガサゴソ
「桜」
急に呼ばれて
へ？！って見上げると
帰ったはずの部長
「なにやってんの
え？ここ家じゃないとか？
俺を撒いた？
つーか、そんな気ないわっ！」
「や、や、待ってくださいっ
ここ家なんですけど
その..
おねぇちゃんと住んでて
彼が来ているので
その..何て言うか」
「は？何言ってんだよ
こんな時間に外で待っとく気かよ
ほら、さっさとはいれ
どこ」
わたしの腕を掴んで
わたしを部屋に入れようとする
なんせ怖いから
言われるがまま鍵を開けると
押し込まれるみたいに
玄関に入れられる
「お、おやすみなさぃ」
「ん、じゃぁな」
ドアがパタンと閉まる
部長..そう言えばなんで？
戻ってきた？
ガチャ
「っわ！！」
閉まったばっかのドアが直ぐに開いて
ビックリしてると
「忘れもん」
そう言って
スマホを渡された
「っあ...」
落としてたんだ
「ありがとうございます...」
って言ってる最中にも営みの声がっ！！
部長がバスルームの方に視線をやって
私を見た
なんか...はずかしぃ
「すみません...なんか」
「........いつも？」
「最近、出来た彼が外国の方なのでその何て言うか。いろいろ...凄くて..」
床に置いた鞄をスッと部長が持った
「部長？」
「行くぞほら」
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月4日 23時
