夜がすごいんです ページ11
「おいっ」
「はい？！」
「さっきから呼んでんだろ」
「え？うそっ。すみません
何ですか？」
「家、どこ」
「あー！家？！
どこだっけ」
「はぁ？」
「や、その、ま、待ってくださいね」
キョロキョロ
回りの景色なんて全く見てなかった
何処だろ？
「っあ！
わかりました！！この道をずーっとまっすぐいった先の公園の向かいのアパートです」
東京に出てきて
姉のところに転がり込んで
二人で暮らしてる
デザイナーズマンション
そんな姉に最近彼が出来て、
それがなんせ外国人！
その..何て言うか夜の....
とか....
うん、すごいんだな...
はぁ。
今日来てんだろうか
や。いんだけどね
おねぇちゃん家な訳だし？
その、悪いことしてる訳じゃないし？
だけどさ、聞こえすぎるってのも
問題なわけで、最近の悩み
そんなことを考えてたら
スーって静かに車が止まった
「......」
え？ついた？！
「あ、そう、ここです
ホントに助かりました
ありがとうございます」
「ん。
ちゃんと風呂はいれよ」
「え？」
「冷えてんだろ体」
「はぃ
っあ！ジャケット！
クリーニング出して早めにお返しします」
「別にいいよ」
「だめですよ。
こんな高そうなスーツ
ちゃんとお返ししますから」
「あそ」
「気を付けて帰ってくださいね？」
「あぁ」
「おやすみなさい」
「おつかれ」
止んでない雨がまたあたりそうで
スーツをこれ以上汚しちゃいけないと思って
お礼を言って頭を下げて
走ってマンションに入った
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月4日 23時
