オトナの恋の始め方 3 【S】 (ページ9)

今日:31 hit、昨日:9 hit、合計:1,524,863 hit

ズルい子　ページ9

眩しいサンセット

しかめた目が急に楽になった

荷物を片付けに行こうとしたその腕を
キュって掴まれた

何も言わないまま
何も言えないまま

視線と視線がぶつかる
オレンジとピンクの混ざり合った優しい空の下

耐え切れずに手を離そうとしたら

「離すの？」

って。

「だって..」

離すの？の意味が分かんないもん

多分すっごい目が泳いでる

「だって？」

「なんで、こんな事するの？
...っあ！分かった！いいですよ！！
しょうが無いなぁもぉ」

「は？」

「彼女の代わりでしょ？
そりゃ、こんな綺麗なとこじゃ
彼女シック？みたいなのになっちゃいますよね
一緒に見てキュンってしたいですよね。
なのに！！私なんかが...
だから、どうぞどうぞ、私で良ければ代わりにしてもらっていいですよ？
イーッパイ、楽しませてもらったお礼に」

もう自分でも何言ってるかよくわかんなくなった

ただ、櫻井さんが何がしたいかわかんない

それで口からつい出てしまったのがコレ。

すっごい感じ悪いこと言っちゃったかも...
最低

「ズルい子」

そう言いながら掴んだ手と反対の手で
クッて顎を上げる

「え...」

「なってもらおっかな
"代わり"」