スイッチ ページ28
「..え？」
「もう、落ちよっかな」
「.....」
「はっきり言ってとっくに誘惑に負けてんだけど、粘ってみた」
「へ？」
あんなに無反応でスルーだったのに？！
「やめてあげないよ？」
私の顔にペタってくっついた髪を
後ろに流しながらそう言った
「.....」
「やめるなら今のうち」
私は横に首を振った
櫻井さんはやっぱり少し困った顔をしてその後、色っぽい顔に変わった
スイッチが入ったみたいに
私の唇を親指でなぞる
視線の刺さる唇が僅かに震えてしまう
「あんまり見られると緊張..します」
「そう言われるともっと焦らしたくなんのが俺なんだけど？」
「え？もう...
勘弁して？全部スマートな櫻井さんのくせに」
「それとこれとは別でしょ
俺も葛藤してるよ？」
「？」
「このまま夢中になっちゃいたいのに
そのドキマギしたAちゃんももっと見たいとか？(笑)」
「/////」
「だけど可愛そうだから
もうやめてあげる」
上を向くと
色っぽくてちょっと意地悪な顔で私を見下ろす
そのイジワルな口角が好き..みたい
ゆっくりと傾けた顔
このまま素直に目を閉じてしまっていいものかわからず近づいてくる唇に瞬きが増える
キスがこんなに、ドキドキするなんて
する..しない...
で長引かせたキスは
やけにドキドキする
櫻井さんとのキスは、初めてなんかじゃないのに
一番ドキドキしてる
そのスローモーションに耐え切れずギュって瞼を閉じた
パクッて食べられた舌唇
吸い付いた粘膜がちょっとづつ離れていく
視線を絡ませると
今度は上唇も
息を吸うのに少しだけ開けた唇の隙間を櫻井さんの舌がスーッてなぞる
もう..
止められない
最後に夢を見させて
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年3月25日 23時
