記憶力 ページ23
私..
どうしちゃった？
愛が溢れてしょーもない
好きなの。
って言ってんのおんなじレベルの事いっぱいしてる
気づいて欲しい
だけど、気づいたら困るる
好きって言うのはもちろん無理で..
無理なのに何とかなんないかな
なんて悪あがき
おそらく綺麗な彼女がいるんだろうな
当たり前に戻るんだよね
明日帰ったら会いに行くのかな
「なんで何もしゃべんないの？」
「え？」
「すげぇおとなしぃ」
「色々と考えてるのー」
「例えば？」
「オトナの恋の始め方..とか」
「プハ
なにゆえに？」
「王子を振り向かせる方法です」
鈍感王子め
「アラサー恋愛スペシャリスト見たら？」
「ちょっと！タイトル！覚えてたの？！」
「アハハ
忘れられないもん」
「ハァもぉっ！記憶から消して下さい！」
「無理でしょ
つーか、なんであんなの読もうと思うわけ？」
「だから、
恋の仕方が分かんないから」
「さぁ、今から始めましょう
なんて綺麗な始まりなんてないんだからさ
大人になったら尚更？」
「それは、そうだけど..
だからね、始まりが分からないんですって
踏み込めない
遠慮しちゃう
素直になれない」
「ハハ。どんどん出てくんね(笑)」
「ねぇ、櫻井さん..」
そう呼んだら
ん？
って横を向いてくれる
「.....」
「なに？」
そう言い終わった唇に
チューって長めに重ねた唇
「教えてよ
櫻井さんが..」
「......」
「明日で全部泡になって消えちゃうの
だったらいいでしょ？」
「ん？人魚姫？」
「うん」
抱いてって事
それがたとえ始まらない恋だとしても
一晩だけでも幸せになりたい
そう思ってしまった
どうか、一晩だけ
私の王子様になってよ
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年3月25日 23時
