3回目の？ ページ22
「Aちゃん」
「なんですか？」
何故か分からないけど？早歩き
追いつかれないように早歩き
私が必死で早歩きしてるのに
余裕でゆっくり歩いてる櫻井さんがすぐ後ろ
なぜかちょっと、小走りにしてみたら
っ！！！
スカートの裾がっ
ッキャァ
思いっきりゴンッてヒザを地面にぶつけた
「ちょ、何やってんの見せて」
慌てて転んだ私の前にしゃがんでスカートをめくろうとする
「大丈夫っ」
「いいから！見せろ」
なんの躊躇もせずに
膝までスカートを捲ると
そっと足を触って
ケガをしてないか見てくれる
「あーぁ
流血」
「え？！」
言われて見たら
ツーって血が流れてる
「痛い」
「血ぃ見たら痛くなった？(笑)」
「うん..」
「しっかりして看護師さん(笑)
後で消毒してあげるから
はい、おんぶ？」
クルって背中を向けてくれる
ここに来て三回目
「いいの？歩けるけど」
「いいよ
姫は大事にしないと？
意外と繊細みたいだから(笑)」
「姫呼びが定着してる
全然姫に似つかわしくないのに」
「ハハッ
いーから早く乗りな」
慣れた背中に
図々しく体を預ける
遠慮気味に肩に手を乗せてたら
「落ちたくなかったらちゃんとつかまる」
そう言うから
ギュって首に巻き付いたら
「手加減して」
って怒られる
最後のおんぶ。
今からする事は
全部、"最後"
なんだよな...
コテンて肩に顔を乗せて
その横顔を盗み見
「クク
すげー見られてない？」
「見てるもん」
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年3月25日 23時
