姫 ページ16
櫻井さんの部屋のブザーを鳴らすと
すぐドアが開いた
さっきとうってかわってフォーマルな
格好の櫻井さん
あぁ、王子
王子が私を見て一瞬目を丸くした
「あの..魔法にかかったみたで...ほら。これ」
ワンピースを、フワッ持ち上げる
「フハッ。魔法っ！(笑)」
「櫻井さんでしょ？これ
ディナーにご招待しますって
メモが入ってた」
「お待ちしておりました姫」
そう言ってジェントルマンみたいに
手を差し出す
その上に遠慮気味に手を重ねると
アハハって笑って
ガラじゃねぇオレ！
って眉毛を下げる
何を言ってるの
王子にしか見えませんが？
整った顔、キラキラの大きい目
完璧ですよ
気づいてないのかな
「サプライズが恐ろしく完璧で
腰がぬけます」
「おぉ。大成功じゃん」
「なんでここまでしてくれるの？
新婚旅行でもここまでしてくれないよ！」
「そうなの？」
「知らないですよ！新婚旅行した事ないから」
「はぁ？んだよそれー」
ガハハって笑ってる
笑い事じゃないんですってば櫻井さん
「お綺麗ですよ姫！」
ガラリ雰囲気を変えてかっこ良く言ってくる
「もぉー、やめてくださいよ
姫！とか茶化すのっ」
「行きましょうか姫！」
「もぉ、やめてってば
恥ずかしいっ」
恥ずかしがる私をみて面白そうに姫！を連呼してくる
恥ずかしいけど嬉しいの！
女子はみんなお姫様になりたかったんだから！
小さい頃夢見たお姫様は
大人になると
ただのおとぎばなしになった
そう思ってたのに
...
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年3月25日 23時
