恋人契約 ページ11
ダメだってって思う自分と
止められない自分
チュ
って音で離れた唇
その瞬間我に返る
さらさらの砂にパフッってかかとをおろして、目も見ずに
スミマセン
って謝った
「何で謝んの？」
頭の上から降ってきた
「止まんなくなっちゃって..」
「俺もだけど？」
って。
その言葉にチラって見上げたら
ちょっと意地悪な顔で口元を緩ませる
「きっとほら、この島が綺麗すぎるせい！
一瞬の気の迷いですから」
「そ。」
「そ、そうです！
だから、重く考えないでくださいねっ！！」
アタフタアタフタしてる
「ふーん」
「だけど...
帰るまで..
櫻井さんが明日帰っちゃうまで
恋人になってくれ...たり..してくれますか？」
「明日まで?」
「うん
そのあとは、ちゃんと忘れるし
言いふらしたりなんてしないし
迷惑..かけないから」
あぁ、乙女
完全に乙女
アバンチュールの申し込みしちゃってるじゃん
だけど、口が止まらない
勢いですきとか言っちゃいそうなのは流石に我慢した
「恋人契約?」
「うん」
「期間限定？」
「明日までだから..」
「ハハ...
イイね」
「え？」
「自分から言っといて何驚いてんの(笑)。」
「いいの..?」
「Aちゃんといるのすげぇ楽しいし、俺は構わないけど?」
「あのね、誰でもいいとかじゃ無いですよ？
誰ソレ構わず言う訳じゃ無いですからね...?」
「俺もだって(笑)
そんな飢えてねぇ」
「わ、わかってますよっ」
「じゃ、そういう事で
よろしく？」
パって差し出された手
握手？
よろしくの握手？
その手に自分の手を重ねたら
ギュって握って
グッて自分に引き寄せた
ドキン
「不思議な旅」
「デスネ...」
そう言って背中に腕をそっと回してみたら
クスクスって笑いながら
抱きしめ返された
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作者名：さわ
| 作成日時：2016年3月25日 23時
