そろそろ ページ16
ご飯...作ろ。
ご飯を作りながら、色々なことが頭の中をグルグルまわる
考えてもどうしよもないのにな...
何時に帰ってくるって言ったっけ
早く帰って来てよ..
１１時を回った頃
玄関がガチャって開く音がする
「おかえり」
「ん。ただいま。遅くなったごめん」
「ううん。
先にご飯？お風呂沸かしてあるよ」
「風呂にするわ」
「うん...」
「ん？」
「ちょっとだけ、ぎゅってして」
「なに、どーしたの」
そう言いながら
私を抱き締めて
ハイハイこれでいいですか？
って背中をポンポンする
「もっと」
「..どうした？」
「何でもない。ただ抱き締めてほしいだけ」
「ッフ。
へんなの」
抱き締めてもらって気づいてしまう
櫻井さんのじゃない
あまい香水の匂い
ホントにかすかに残ってる位だけど
私の好きな匂いとは違ってて...
「あ、Aご飯食べた？」
「一緒に食べたかったから..」
「待ってたの？
食べてろよ。こんな時間じゃん
風呂は？」
「洗濯物とかアイロンとかしてたから..」
「あぁ、溜まってたよな
入る？一緒に」
「いいの？」
「いいよ」
少しでも近くにいたい
不安だからかな
ギューッて、痛くなる心臓からなるべく気をそらしたい
身体を洗って二人で湯船に浸かる
「A」
「ん？」
「ご飯とか風呂とか待ってなくていいから」
「ん..でも、」
「何時に帰れるかわかんねぇじゃん？
...お前さ、楽しい？俺といて」
なんで？
そんな事いうの？
「楽しいよ？
翔のために何かしてるの幸せだから
待ってるのも全然やじゃない....」
「...そ。
おれだったら、俺みたいなやつ、嫌だけどね」
「そんな事ないよ」
「そんな事あんの」
「....」
「おいで、こっち」
私を引き寄せて
抱き締めたあと
唇を重ねた
優しく優しく。
なんのキス？
ごめんねのキス？
そろそろかな。
とか分かってしまうのは
学習しない私のせい...,
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作者名：さわ
| 作成日時：2015年7月19日 17時
