交わらない思い ページ14
下唇をパクって食べて
上唇をチュッて吸う
キスが深くなるにつれて
頬にあった手が私の背中を抱き締める
だんだん激しくなるキスに
苦しくなって
櫻井さんの、シャツをぎゅって握って
握る
「んっ」
私の声が漏れると
唇が少し離れて
「あってんだろ？」
ってニヤリ
「ッハァ
あってる...」
ぎゅって抱き締めてキスして欲しかったから
そしてまた
お互いを求め会う
お互い。
なのかな....
少なくとも私は
キスしてほしくて抱き締めてほしくて
抱いてほしい
櫻井さんはどう？
ただの暇潰し？
都合のいいお手軽な女が
ここにいるから？
こうしてるだけ？
櫻井さんのホントの気持ちは
ヤッパリ読めないけど
ただ、ここに来ようと
思ってくれた事が
嬉しくて..
それから
ここへは、好きなときに
好きな時間に
櫻井さんは来るようになった
それは、
真夜中な事もあるし
朝方だったりもする
それが
毎回ゆっくり泊まって行くわけでもなくなって
ただ、数時間
立ち寄って
抱いて帰るときもある
櫻井さんが、離れた身体は必ず寂しくなって
出ていったあとは、またすぐ
会いたくて..
私が
会いたいな。待ってます。
って送っても
結局は、櫻井さんの都合でしか会えない。
ご飯をつくって待っていても
ドタキャンも少なくない
けど、次に会えれば
それですべてチャラになってしまう
どんなに会っても
私のことを
"好き"
と言ったことはない。
"好き"
って言えば
"知ってる"
そう返ってくるだけで。
でも、抱き締めてくれるその手は温かいから、それでもいいかな。
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作者名：さわ
| 作成日時：2015年7月19日 17時
