完璧な作り笑い ページ27
和「ねぇ後でゲームつきあって？」
A「いいですよぉ〜。練習したもん。今日は二宮さん負けちゃうかもよー？！」
ほらね。ほんと健気。
和「うげー。負けねぇ〜。俺、後で食器洗うから、たまにはAちゃん向こうで座ってな？」
俺に尽くす彼女に
何かしてあげたいのに
何もしてあげられる事が無い
これは、俺へのただの気休め。
A「やっさしぃ。感激！！
でも私がやるからいいですよ！？
二宮さんいつも忙しいもん、休めるときは休まなきゃ！
疲れた顔したアイドルなんて、みんな求めてませーん。」
和「そんくらい疲れないよ(笑)」
A「いいのいいの。本当に、私がやりますからー！」
和「なんで？」
A「料理は後片付けまでが料理ですから(笑)」
和「あー、帰るまでが遠足の類ね(笑)」
A「賢い！二宮さん！正解でーす！」
和「こら。先生か(笑)」
A「ふふ、なんにでもなってあげるよ」
なんにでもなってあげる。
なんだか、Aちゃんが、Aちゃんじゃなくなっちゃいそうで、
身勝手な俺は
不安になる。
そうさせたのは他の誰でもなくて、
俺なのに。
変わらない笑顔が俺を癒して
優しい言葉が俺の心をあったかくする。
くだらない、言い合いが俺を楽しくさせて
抱きしめたらすぐここにある、温もり。
俺の前からいなくならない安心感。
でもこの時は、バカな俺は気付いてなかっただけ。
少しずつ、
完璧な作り笑いをするようになった
Aちゃんに。
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作者名：さわ
| 作成日時：2014年10月9日 22時
